「ドル高」に息を呑む新興国。韓国も例外ではなく「大丈夫じゃない」

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ドル高が進行しており、新興国通貨が安くなっています。

これは、アメリカ合衆国がインフレ対策で通貨量を絞っているためです。為替レートは基本通貨量の比で決まりますから、合衆国が流動性を絞る限り、これは止まりません。

新興国からの資金流出が拡大しています。また、合衆国が金利を上げており、新興国はこれに追随しないと資金流出がさらに大きくなってしまいます。

ドルがどこまで強くなっているのかを、ドルの強さを示す「DXY」で見てみましょう。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:月足)。

上掲のとおり、ドルは非常に強くなっています。DXYは「106.54」(2022年07月23日16:32現在)で、これは2002年07~11月の水準です。

こうなってくると心配なのは新興国のデフォルトです。なぜならドル高に進めば進むほど、外貨建債務を返済するのが難しくなるからです。

自国通貨がドルに対して10%下がれば、ドルを調達するのに自国通貨が10%余計にいることになります。両替して返済しないためには、外貨準備が必要ですが、外貨準備高が脆弱な新興国はドルが調達できずドボンになる可能性が高まるのです。

自分を先進国認定している韓国も例外ではありません。

「韓国は大丈夫」だって? 果たしてそうでしょうか

韓国メディア『毎日経済』に興味深い記事が出ています。「ドル超強勢に飲まれる新興国市場…『純輸出国は大丈夫だろう』」というタイトルです。

ご注目いただきたいのは「純輸出国は大丈夫だろう」という部分です。

上掲のような状況で、対外債務の多い新興国はデフォルトが懸念されます。『IIF』(Institute of International Financeの略:国際金融協会)によれば、2022年06月に新興国市場から40億ドルの資金が流出したとのこと。

ドル、外貨が流出するのは危険な兆候です。対外負債の額が多い国はデフォルト危機に陥る可能性があります。

この記事で面白いのは、『Wall Street Journal』の「比較的、純輸出国は大きな危険を経験しないかもしれない」という言葉を引いていることです。

韓国をその中に入れたいのでしょうが、そうはいきません。

『Wall Street Journal』が指摘しているのは、「純輸出」つまり「輸出 – 輸入」がプラスになる国は、その分で「外貨が積める」ので、外貨がなくなる一方にはならず、まだマシなのでではないか――ということです。

「輸出 – 輸入」はすなわち「貿易収支」のことです。

『毎日経済』の皆さんは、韓国がここのところ(通関ベースとはいえ)3カ月連続赤字、貿易収支赤字になっていることをもう忘れたのでしょうか。

韓国は「純輸出国」ではなくなっているのです。つまり、大丈夫ではありません。

(吉田ハンチング@dcp)

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