2022年08月26日(現地時間)、注目のジャクソンホールでの『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)のパウエル議長のキーノートスピーチが終わりました。
全世界が注目していたのですが、予想よりもタカ派な発言で市場はスグに反応。韓国にとっては大変に残念な結果となりました。
パウエル議長のスピーチの中から重要な発言をまとめてみましょう。
“While the lower inflation readings for July are welcome, a single month’s improvement falls far short of what the Committee will need to see before we are confident that inflation is moving down,”
「7月のインフレ率の低下は歓迎するが、単月の改善は、インフレが下降していると確信する前に委員会が見る必要のあるものにはほど遠い」
“with inflation running far above 2 percent and the labor market extremely tights, estimates of longer-run neutral are not a place to stop or pause,”
「インフレ率が2%をはるかに上回り、労働市場が極端にひっ迫しているため、長期的に中立的であるとの見通しは、停止または一時停止する場所ではない」
“We must keep at it until the job is done,”
「仕事が完了するまで続けなければならない」“Our aim is to avoid that outcome by acting with resolve now,”
「我々の目的は、今、決意をもって行動することで、そのような結果を避けることだ」
つまり、『FRB』はインフレがピークを超えたとは見ていないのです。
つまり、利上げを停止するつもりはさらさらない、との見解を示しています。それよりも、ここで「政策金利を上げること」を躊躇したり、止めたりすることの方がリスクが高いと見ているのです。
パウエル議長はとにかくインフレを退治するまでは多少の犠牲はやむを得ぬ、と考えていらっしゃるようです。これについてはMoney1でも先にご紹介したとおりで、前から分かっていた話ですが。
パウエル議長がこのように述べている以上、来る09月20~21日の『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)で、政策金利の上昇が緩和されることは恐らくあり得ません。
『FRB』がインフレもピークを超えたと判断しているのであれば和らぐ可能性はあったのですが、望み薄となりました。完全にドル強方向です。
――というわけで、ウォン安がどーんと進行してしまったのでした。
↑2022年08月27日00:20時点でのドルウォンの1分足チャートです(チャートは『Investing.com』より引用)。
ちなみに、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁もこのジャクソンホールのイベントに出るために訪米していらっしゃいます。李総裁はどのような気持ちでキーノートスピーチを聞いたでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)