「韓国は通貨弱者だ」この1カ月でウォンは主要40通貨に対して下げた!

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世界的な「ドル一強」で当然ですが、ウォンが安くなっております。

Money1でも連日お伝えしているとおり、ウォン安が急進しています。以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:週足)。

すでにドルウォンのレートは、「1997年:アジア通貨危機」、「2008~2009年:韓国通貨危機」と同水準まで来ていることがお分かりいただけるでしょう。

「苦痛を受ける弱者=韓国」という指摘

だからといって、まだ経済危機にまで陥っていないのが、今回のウォン安の面白いところです。しかし、あまりにもウォン安が進行しているため、韓国メディア・識者からは警鐘を鳴らす声が上がっています。

先にご紹介したとおり、いくら警鐘を鳴らしても止められません。また「通貨スワップ」があろうがなかろうが同じです。基本、アメリカ合衆国が流動性を絞るのをやめなければ止まらないのです。

韓国メディア『中央日報(日本語版)』には「ウォン安ドル高で苦痛を受ける弱者=韓国」というタイトルの記事が上がっています。

以前にもご紹介したことがありますが、韓国メディアは「根拠のない自信」に満ち満ちた記事を上げる一方で、「もうダメだ」という妙に自虐的な記事を上げるという特徴があります。

この「苦痛を受ける弱者=韓国」も後者に属するもので、大統領選挙の最中には「韓国のウォンは基軸通貨になる」なんて記事を上げていたのです。かつての誇大妄想的な自信はいったいどこへ行ってしまったのでしょうか。

ウォンの価値は急落した!

「弱者=韓国」の記事内では、『Bloomberg』による「韓国ウォンは、世界の通貨の中でも対ドル騰落率で主要通貨31のうち、世界8番目の下落幅を記録したこと」を紹介しています。以下に該当部分を引用してみるとこんな具合です。

(前略)
ブルームバーグ通信が米ドルに対する主要31通貨の騰落率を集計したところ、韓国ウォンは今年に入って今月2日まで下落幅が8番目に大きかった。

下落幅が大きい国のうちトルコとアルゼンチンは経済危機状況であり、ハンガリー・ポーランドはウクライナ戦争でエネルギー危機を迎えているため、事実上、韓国ウォンは主要国のうち日本、スウェーデン、英国に次いで4番目に下落幅が大きいということだ。

年初(1月3日)は1ドル=1191.8ウォンだったが、今月5日には1ドル=1371.4ウォンと、15%ほどウォン安ドル高が進んだ。

原材料を輸入して加工後に輸出する韓国のような国は為替レートの変動性が大きい。

⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「ウォン安ドル高で苦痛を受ける弱者=韓国」

2022年01月01日の始値から09月05日の終値までの変動を見てみると以下のようになります。

年初来、ウォンは対ドルで26.1%も安くなっています。

主要40通貨に対してウォンの価値は下落した

また、直近07月末~08月末でウォンが他の通貨と比較してどのくらい安くなったのかを検証したメディアがあります。『中央日報』です。

元データは、『韓国銀行』の統計システム「ECOS」から引っ張ってきているのですが、韓国通貨ウォンは、主要43通貨のうち、対40通貨で安くなったというのです。


↑対主要通貨のウォンの変動は「ECOS」で確認可能/スクリーンショット

記事から一部を引用するとこんな具合です。

先月ウォンに対して価値が下がった通貨はイギリスポンド(-1.05%)、スウェーデンクローナ(-1.18%)、アルゼンチンペソ(-2.21%)のわずか3つに過ぎなかった。

アメリカ合衆国のドル(3.34%)はもちろん、ユーロ(1.58%)、スイスフラン(1.32%)、オーストラリアドル(1.29%)など40に及ぶほとんどの通貨がウォンに「強い姿」を見せた。

新興国も例外ではない。

早いペースで資金が抜けているインド(3.3%)、タイ(3.27%)、ベトナム(3.05%)など新興アジア国家通貨さえもウォン対比で価値が上がった。

景気低迷を防ぐために基準金利を下げ、お金を緩和している日本の円より、小幅(0.01%)だがウォンはさらに弱くなった。

⇒参照・引用元:『中央日報』「원화값에 무슨 일이?… 43개국 중 40개국 통화 대비 내렸다」

これは、ウォンという通貨がいかに脆弱であるかを示しています。

日本円に対して価値が落ちたのは朗報!

ただし、円に対してわずながら弱くなったのは、韓国にとって朗報です。というのは、先にご紹介したとおり、対日貿易(輸出)において「日本円」は使用通貨で43.5%のシェアがあります。

⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年決済通貨別輸出入」

対円でウォン高が進むと、韓国の輸出業者は(ウォン建てにした際に)実入りが減って大変困ったことになるからです。ですから、対円でのウォン安は対日輸出業者にとってはほっと一息なのです。

「ウォン安をすぐに止める方法などない」という指摘

『中央日報』の記事に見逃せない部分があるので、以下に引きます。

(前略)
ヤン教授は引き続き「過去、米韓で金利逆転現象が二度あったが、急激な資本流出がなかったのは当時貿易収支(輸出額-輸入額)が黒字だったから」とし「以前とは異なり、現在は貿易収支の大きな赤字が現れている。米国が0.5~0.75%ずつ金利を急速に上げると、外国為替市場の不安はさらに大きくなる可能性がある」と展望した。
(後略)

⇒参照・引用元:『中央日報』「원화값에 무슨 일이?… 43개국 중 40개국 통화 대비 내렸다」

これから急速な資金流出が起こるかもしれない、と指摘していらっしゃいます。

本当にそうなるかは市場次第ですが、通関ベースとはいえ貿易収支の赤字が継続していますので、これを「アカン」と外国人投資家が見れば、セルコリア(韓国売り)が始まる可能性はあります。

暗い予想は以下のように続きます。

(前略)
韓国輸出の二大軸である合衆国と中国で同時に低迷警報が鳴っており、見通しは暗い。

2008年の金融危機よりもはるかに吹いた韓国の家計負債や国家債務などの脆弱性も浮上している。

すぐにウォンの墜落に制動をかける政策手段がないという点も問題だ。
(後略)

⇒参照・引用元:『中央日報』「원화값에 무슨 일이?… 43개국 중 40개국 통화 대비 내렸다」

いよいよ暗い話ですが、「ウォン安をすぐに止める方法などない」という点は正しいです。上掲のとおり、ウォンという通貨は思っているよりもずっと脆弱だと見なければならないのです。

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(柏ケミカル@dcp)

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