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「韓国の景気判断」がズンズン悪くなる。

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ウォン安が止まらず、韓国の屋台骨を支える貿易が(通関ベースとはいえ)赤字基調になっており、韓国経済に対する懸念が高まっています。

中国経済が「今崩れ行く崖の上に立ち……」という状況ですので、中国を最大貿易相手国としている韓国は、外国から見れば「そろそろ危ないんじゃないのか」とも見られます。

ウォン安が急進行しているのは、「海外の投資家が韓国を中国と一蓮托生と見ている」という面が少なからず影響しています。

Money1でも、先に韓国証券マンの「チャイナディスカウントが韓国に影響する」という嘆きをご紹介したことがありますが、投資市場では中国・韓国をひとくくりに見るという視点は十分に根強いのです。

証券マンの見方は別に特別なものではなく、実際に中国経済の土砂崩れは韓国経済の地すべりを引き起こします。

韓国の最大貿易相手国が中国であることは紛れもない事実であり、たとえ対中国貿易全体で黒字が出せなくなったとしても、中国に輸出することで売上を上げている企業が存在する限りは。そして韓国はほとんど輸出で食べている国なのです。

というわけで、韓国企業のこの先の景気判断が確実に悪くなっています。

以下は、毎度おなじみ『全国経済人連合会』が発表した「BSI」(Business Survey Indexの略:企業景気実査指数)です。毎月、企業にアンケートを行って、景気の先行きをどう見ているかを数値化しているのですが……。


青い線が景気の先行き展望、赤い線が実際にその月どうだったのかを示します。例えば2022年08月は前月に「95.6」と展望していたのですが、実際のパフォーマンスは「86.0」に過ぎませんでした。

ご注意いただきたいのは『全国経済人連合会』の「BSI」は普通のBSIとは数字の見方が異なる点です。「このBSI」の場合、100より高い場合は前月比で肯定的、100より低い場合は前月比で否定的と見ていることを示します。

⇒参照・引用元:『全国経済人連合会』公式サイト「10月展望企業景気動向調査(BSI)」

上掲のように、21年03月を頂点にして、景気展望も実際のパフォーマンスもずんずん右肩下がりで推移しています。特に、実際にどうなったのかを示す「赤い線」の下落は深刻に見るべきです。

上掲のグラフは全業種を足しこんだものですが、韓国の屋台骨を支える製造業は非常に困った数字になっているのです。

韓国の三大輸出品目である半導体・自動車・石油製品を含む業種のBSが、2022年10月は以下のように全部「対前月比でダメ」としています。

10月のBSI
電子・通信:95.0
自動車・その他輸送:96.8
石油精製・化学:70.4

このように主力3つの業種が全部ダメというのは6カ月ぶりのこと。

また、製造業で在庫がだぶついています。『全国経済人連合会』の計算している製造業在庫BSIは「109.0」に達しました。


↑製造業在庫BSI。109.0と急上昇しています。

⇒参照・引用元:『全国経済人連合会』公式サイト「10月展望企業景気動向調査(BSI)」

在庫が急増するということは、需要が急速に落ち込み製造した物が売れないことを意味しています。在庫の急増は企業に余計なコストもかけ、業績を悪化させます。業績が悪化した企業は給与をカット、人員整理などを行いますので雇用の縮小を生みます。

『全国経済人連合会』はこのリポートで「今後、生産・投資・雇用の連鎖的な縮小が懸念される状況だ」と述べています。

このリポートの結論は、

国内企業は高物価、高金利、高為替レートの3高が長期化することによる生産コストの増加と、国内外の景気低迷による売上鈍化複合的危機状況を迎えている

「政府が推進中の法人税制改編、労働時間の柔軟化など企業活力向上のための措置が迅速に行われ、企業の経営負担を緩和する必要がある」

です。極めてダメっぽくなってきたわけですが、。

(吉田ハンチング@dcp)

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