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韓国「だんだん通貨スワップ締結に近づいている」米国はそんなこと言ってない

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2022年09月30日のドルウォンは「1、440ウォン」超えを確定させて締まりました(チャートは『Investing.com』より引用:週足)。

韓国にはウォン安を止める方法がないので、「通貨スワップ」の連呼になっています。

何度もご紹介しているとおり、韓国の通貨スワップへの執着はまさにカルトです。

「外為市場安定のため」の米韓協力は進展していると主張

韓国メディア『フィナンシャルニュース』に「本当なのか」というような記事が出ています。タイトルが「大統領室『米政権の通貨スワップ実質履行意志確認』」というのです。

記事から一部を引用してみます。まず冒頭。

(前略)
韓国とアメリカ合衆国間のグローバル景気低迷を克服する案の一つである「米韓通貨スワップ」措置を含む金融協力案が徐々に具体化されている。
(後略)

⇒参照・引用元:『フィナンシャルニュース』「大統領室『米政権の通貨スワップ実質履行意志確認』」

「通貨スワップ」について「グローバル景気低迷を克服する案」としています。「韓国の危機克服案の一つ」の間違いではないでしょうか。

韓国とドル流動性スワップ(韓国側呼称「通貨スワップ」)を締結しても、合衆国にはなんら得がありませんが、同紙によると「グローバル景気低迷を克服する案」にすり替わっています。

以下の部分が問題です。

(前略)
尹大統領とハリス副大統領はこの日、ソウル龍山大統領室庁舎で接見をした後、大統領室関係者はブリーフィングで「政府と『韓国銀行』は、金融市場安定のために米国との流動性供給装置発動に対する協議が必要だという認識を共にしている」とし「このような認識の下、市場の状況に応じて流動性供給装置を稼動できるように韓銀と米連邦の間で積極的に情報を交換している」と話した。

大統領室の高位関係者も、記者たちに「通貨スワップと認識できる流動性協力を水面下で調整後、ニューヨークで米韓首脳間で協議をする場面があった」とし「今日(29日)ハリス副大統領を通じて実質的に(通貨スワップを含む流動性供給を)履行するという合衆国政府の意志を再確認した」と説明した。

⇒参照・引用元:『フィナンシャルニュース』「大統領室『米政権の通貨スワップ実質履行意志確認』」

先にご紹介済みの、「米韓で合意した流動性の供給装置」について、韓国側は「通貨スワップ」と決めつけている節があります。

それというのも、大統領室が「流動性の供給装置というのは、もちろん通貨スワップを含む」などと期待をもたせる発表をしたせいです。

そのため、このような「通貨スワップで決まりでございましょ!」といわんばかりの記事が出ます。

李昌鏞『韓国銀行』総裁が連邦政府と通貨スワップを協議する?

ご注目いただきたいのは、『韓国銀行』と積極的に情報を交換しているのを「米連邦」としている点です。本当にドル流動性スワップを協議しているのであれば、ここは連銀でないといけないのではないでしょうか。

李昌鏞(イ・チャンヨン)『韓国銀行』総裁は、「通貨スワップをイエレン財務長官と話しても仕方がない」と記者に指摘したことがあります。李昌鏞(イ・チャンヨン)さん率いる『韓国銀行』が合衆国連邦政府と通貨スワップについて相談しているなどとは、とても思えません。

あの「ハハ、オレ、ばか嫌い」という風情の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁がそんな無駄なことはしないでしょう。百歩譲って連邦政府と相談するなら企画財政部の仕事です。

また、大統領室の高位関係者なる人物が「流動性協力をニューヨークで米韓首脳間で協議をする場面があった」と強弁しています。

韓国メディアの集計によると、バイデン大統領と尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は3回のニアミス合計で148秒しか会っていないので、時間的にそんな協議ができたとは思えません。

メディアからの「できるわけがないだろ」という非難をかわすためか、「流動性協力を水面下で調整後」に首脳間で協議された――となっています。うまい言い方です。

合衆国は本当にそんな意志を示したのか?

問題は、「今日(29日)ハリス副大統領を通じて実質的に(通貨スワップを含む流動性供給を)履行するという合衆国政府の意志を再確認した」としている点です。

この大統領室高位関係者なる人物の話を素直に解するなら、「合衆国政府が韓国に対して流動性供給を行う意志を示した」ことになります。本当にハリス副大統領はそんな意志を示したのでしょうか。また、大統領室高位関係者なる人物は本当に存在するのでしょうか。

先の記事でも引用した、「ホワイトハウスが公開したプレスリリース」にはそんなことはひと言も書いてありません(再度以下に貼ってみます/飛ばしても大丈夫です)。

カマラ・ハリス副大統領は本日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領とソウルで会談した。

副大統領は、米韓同盟が引き続きインド太平洋および世界中の平和、安定、繁栄の要であることを強調した。

副大統領は、国際的なルールに基づく秩序を維持することの重要性を強調し、ルールと規範を強化し、共通の価値と利益のために立ち上がるために、さまざまな問題にわたって韓国との緊密な協力を歓迎した。

ハリス副大統領は、合衆国が韓国を防衛し、両国の共同防衛態勢を強化することにコミットしていることを強調した。

副大統領は、韓国に対する合衆国の拡大抑止のコミットメントを再確認した。それは合衆国のあらゆる防衛能力によって支えられている。

副大統領と大統領は、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)に関して、朝鮮半島の完全な非核化という我々の目標の一致を再確認した。

両首脳は、国連安保理決議に違反する北朝鮮の挑発的な核レトリックと弾道ミサイル発射を非難し、日本との三国協力を通じたものを含め、潜在的な将来の挑発への対応について議論した。

副大統領は、北朝鮮の行動がインド太平洋地域と国際社会全体の平和と安全を脅かすことを強調した。

副大統領と大統領は、中国と台湾、および台湾海峡の平和と安定を維持するための努力について話し合った。副大統領は、自由で開かれたインド太平洋の不可欠な要素であることを強調しました。

副大統領と大統領はまた、合衆国と韓国間の成長する戦略的経済および技術パートナーシップについても話し合った。特に、両首脳は、5月の首脳会談以降、協力を拡大し、強化するためになされた重要な進展について検討した。

副大統領と大統領は、宇宙に関する二国間協力を深めることで合意した。

この点で、副大統領は、「破壊的な直接上昇型の対衛星ミサイル実験を行わないという約束を発表する」という韓国の計画を歓迎した。これは宇宙に関する国際的なルールと規範を策定したものである。

副大統領と大統領は、インフレ削減法の下で行われたクリーン エネルギーへの歴史的な投資を含む、気候危機に対処するための私たちの共同作業について話し合った。

副大統領は、同法の電気自動車に対する税制上の優遇措置に関する韓国の懸念を理解していることを強調し、同法が施行されるまで協議を続けることを約束した。

副大統領は、バイデン・ハリス政権が韓国および世界中でジェンダー平等と女性のエンパワーメントに優先順位を置いていることを強調した。

副大統領は、日米韓の3カ国協力の重要性を強調し、共通の目標と安全保障上の懸念を考慮して、この分野での追加のイニシアティブを歓迎した。副大統領はまた、日本と韓国の二国間関係を改善することの利点を強調しました。

⇒参照・引用元:『White House』公式サイト「Readout of Vice President Harris’s Meeting with President Yoon of the Republic of Korea」

為替市場の安定、また流動性供給のための装置といった文言は全く出てこないのです。

これでも韓国大統領室は、ハリス副大統領と尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の間で(通貨スワップ含む)流動性供給装置について話し合ったと言い張るのでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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