韓国は、新政権が成立すると前政権の行ったことを全否定してひっくり返す国です。
自身の正当性を誇示する王朝交代のメンタリティーで国政に臨むからそのようなことになるわけですが、興味深いことが起こりました。
2022年10月26日、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が「炭素中立グリーン成長委員会昼食懇談会」で、前文在寅が邁進した「カーボンニュートラル2050」を否定したのです。
↑「炭素中立グリーン成長委員会昼食懇談会」で発言する尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領。第20代大統領が公表した動画からのスクリーンショット
本件を報じた韓国メディア『ソウル経済』から尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の発言を以下に引いてみます。
(前略)
尹大統領はこの日、ソウル龍山大統領室庁舎で進行した「2050炭素中立グリーン成長委員会」昼食懇談会で、「科学的根拠もなく、産業界の意見集約やロードマップも定めずに発表した。国民の負担がどんなものなのか、果たしてきちんと振り返ってみたのか疑問だ」
と述べた。
(後略)⇒参照・引用元:『ソウル経済』「」
文在寅さん支持者の皆さんにとっては「ぐぬぬ……」かもしれませんが、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の言葉は全く正しいです。
Money1でもご紹介したことがありますが、格好良く「2030年までに国家温室効果ガス排出量を2018年比40%以上削減する」とCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)で宣言しましたが、そのために産業通商資源部が策定した「ロードマップ」は無茶苦茶なものでした。
これまたMoney1でもご紹介しましたが、『韓国電力』、科学者・専門家が「できるかっ!」と呆れるようなものだったのです。
原発をどんどん止め、石炭火力発電所は全廃止し、太陽光・風力発電にシフトするという空恐ろしいものでした。おまけに韓国にはほとんど技術のない「アンモニア・水素発電」を実現するという妄想まで入っていたのです(以下の先記事参照)。
そのような「できないことを述べた」非科学的なロードマップを否定するのは当然のことです。とっととゴミ箱に投げ込んで現実的な話を一から始めないといけません。
さすがに国際的に「前の大統領がナニだったので、前政権の約束はなかったことにしてください」とは言えないかもしれませんが、国内の政策を是正するのに如くはなしです。
当時、産業資源部が実現不可能なロードマップについてなんと言っていたかというと、
です。
「ロードマップ」が無茶苦茶なのですから、行くも何もありません。理念先行で現実を見ない人物をTopに据えるとこうなる、という見本のようなものでした。Topがアレだと官僚までナニになるのです。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、文在寅大統領が示した「ない道」を、「その道は歩けないよ」と正直に言ったのです。
もちろん、「で、どうする?」が問題なわけですが。
↑YouTube『尹錫悦(ユン・ソギョル)』公式チャンネル「環境政策を積極的に議論!【炭素中立グリーン成長委員会昼食懇談会】」
(柏ケミカル@dcp)