⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト
2021年11月05日、韓国の文在寅大統領が7泊9日の訪欧日程スケジュールを消化し、韓国に戻りました。相当な強行軍で足から血を出すほどだったそうですが、とりあえず無事に帰国したとのこと。
さっそく韓国メディアにも今回のバチカン訪問、『G20』『COP26』参加、ハンガリー訪問についての記事が出ています。
例えば『亜州経済(韓国版)』では、文大統領の訪欧について以下のようにまとめています。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の今回の欧州順方は「朝鮮半島平和」、「気候危機対応」、「経済回復」の3つのキーワードにまとめられる。
(後略)⇒参照・引用元:『亜州経済(韓国版)』「【ヨーロッパ巡訪決算】7泊9日間『地球半周』強行軍…『先進国』の役割を果たした」
どこに「経済発展」についての話があったのかと思われるかもしれませんが、『COP26』の後、文大統領はハンガリーのアーデル・ヤーノシュ大統領と会談を持っています。
日本ではバチカン、『G20』『COP26』でのことしかあまり報じられませんでしたが、韓国はハンガリー・スロバキア、チェコ、ポーランドへ(いわゆる「V4」:ヴィシェグラード・グループ)の投資、貿易に力を入れており、大統領府もハンガリー首脳と会談を持てたことも今回の成果として挙げています。
大統領府のプレスリリースには以下のように書かれています。
(前略)
ノーベル賞受賞者を13人輩出したハンガリーの科学技術と私たちの応用技術を組み合わせれば、デジタル・グリーン時代の挑戦に素早く対応できるはずです。今回、ヤノシュ大統領、オルバーン首相と両国関係を「戦略的協力関係」に格上げしました。
私たちは一緒に飛躍します。
(後略)※データ引用元は同上
ノーベル賞受賞者の話が出てくるとことがいかにも韓国らしいですが、確かにハンガリーはノーベル賞受賞を以下のように13人輩出しています。
1905年 Lénárd Fülöp Ede Antal(レーナールド・フュレプ・エデ・アンタル)
1963年:Wigner Jenő Pál(ヴィグネル・イェネー・パール)
1971年:Gábor Dénes(ガーボル・デーネシュ)
化学賞
1925年:Zsigmondy Richárd(ジグモンディ・リハールド)
1943年:Hevesy György(ヘヴェシ・ジェルジ)
1986年:Polányi János(ポラーニ・ヤーノシュ)
1994年:Oláh György(オラー・ジェルジ)
生理学・医学賞
1914年:Bárány Róbert(バーラーニ・ロベルト)
1937年:Szent-Györgyi Albert(セント=ジェルジ・アルベルト)
1961年:Békésy György(ベーケーシ・ジェルジ)
文学賞
2002年:Kertész Imre(ケルテース・イムレ)
平和賞
1986年:Wiesel Eliézer(ヴィーゼル・エリエーゼル)
ノーベル賞うんぬんは要らないような気もしますが、ヨーロッパの中でもV4をターゲットにしたというのはなかなか興味深い動きです。
というのは、この4カ国はソ連の衛星国であった旧共産主義国家の中でも経済基盤が比較的安定しており、これからの伸びしろが期待できる国々なのです。
ちなみに、日本は2000年代からV4に目を付けており、小泉首相、麻生閣下(外相・首相時)がそれぞれ訪問して経済的な協力関係を築こうとしてきました。2013年には安倍首相もワルシャワを訪問。初の「V4 + 日本」首脳会談が開催されています。
韓国はここでも日本の後を追いかけている、といえるかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)