在庫が増えるのは企業にとって良くありません。製品が売れていないことを意味しますし、業績に負の影響を与えます。
先に、四半期前に韓国企業の在庫が急増していることをご紹介しましたが、これが止まっていません。韓国メディア『ソウル経済』が上場している上位20の韓国企業について在庫金額の調査を行ったのですが、以下のような結果になっています。
2021年末時点:117兆7,964億ウォン
2022年06月末:151兆337億ウォン
2022年09月末:165兆9,523億ウォン※コスピ時価総額上位20社の合計、持株・金融・公企業除外資料:金融監督院電子公システム
2022年第3四半期末時点では、対前期で「14兆6,153億ウォン」の増加(+9.7%)。
2021年末から第2四半期末への「33兆5,406億ウォン」増加(+28.5%)よりはマシですが、ずんずん増えていることに変わりありません。
2021年の第3四半期と比べると(つまり対前年同期比では)、56兆ウォン(51.67%)の暴増です。
1年で在庫が1.5倍に増えたのです。
特に半導体の在庫が増加しており、韓国半導体産業のツートップである『サムスン電子』と『SKハイニックス』で在庫増が大変に深刻です。
『ソウル経済』は以下のように報じています。
(前略)
業種別では半導体「ツートップ」の在庫資産が急増した。『サムスン電子』の在庫は5兆ウォンを超えて増え、上半期に3兆ウォンほど膨らんだSKハイニックスの在庫資産は続く3カ月間2兆7,862億ウォン増加した。
(後略)
「半導体が不景気だなぁ」という身のつまされる話で、在庫資産の回転率も下落しています。
(前略)
『サムスン電子』の第3四半期の在庫資産の回転率は3.8回を記録。昨年末の4.5回から今年6月末に4回まで落ちたのに続き、下落傾向を続けたのだ。
『SKハイニックス』の在庫資産回転率も昨年の3.2回から2.4回まで急落した。
(後略)
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「『166兆在庫』爆弾爆発…大企業倉庫もいっぱいだった」
在庫がはけませんねぇ――です。とにかく韓国は輸出頼みの国で、その輸出は半導体頼みになってきています。最新の半導体依存度は約17.9%(産業通商資源部の10月のデータから算出)。
半導体産業で在庫がたまっていくのは全くよくありません。
在庫量の伸びは弱まりましたが、先行きはますます不透明です。
(吉田ハンチング@dcp)