資金調達市場のブラックホールと呼ばれるほど運転資金が必要で、国会で債券発行のシーリング拡大が否決されたため2023年03月にはデフォルトの危機を迎えるとされる『韓国電力公社』(以下『韓国電力』と表記)。
韓国メディア『ハンギョレ』には「『韓国電力』が大赤字に陥ったのはクリーンエネルギーへの転換が足りないからだ」という記事が出ていますが、「文在寅が好きすぎる」としかいえません。
もう何度だっていいますが、『韓国電力』が危機に陥っているのは愚かすぎた「文在寅大統領のせい」です。現実を見ずに、脱原発・クリーンエネルギー政策に猛進したのが原因です。
石炭・LNG・石油資源価格が高騰し、発電価格が売電価格を上回る――つまり完全に「発電すればするほど赤字」という状況になったにもかかわらず、電気料金の値上げを許しませんでした。
大赤字になって当然です。左派系メディアで文在寅をかばいたいからといって、事実を認めないのはよくない態度といえるでしょう。
韓国の電力インフラを一手に握る会社が傾いているのに、文在寅大統領、所管の産業通商資源部がなんと言っていたかというと「必ず行かねばならない道」です。
「頭が弱すぎる」以外にどんな評し方があるでしょうか。
2022年12月16日、『韓国電力』は以下のような公示を出しました。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。短期借入金:8兆7,700億ウォン
慌てて「8兆7,700億ウォン」の手当てを行いました。ただし、これは短期借入金枠の拡大であって、実際にこの金額をすでに借り入れたわけではありません。
自己資本が「約65.3兆ウォン」なので、その13.4%に当たる巨額の借入枠拡大です。
借入前:12兆4,000億ウォン
借入後:21兆1,700億ウォン
枠いっぱいまで短借を増やすと、短期借入金は一気に70.7%増加することになります。
債券発行額のシーリング拡大が国会で通過しなかったため、企画財政部が緊急で会議を開催したことは以下の先記事でご紹介しました。
企画財政部が公表したプレスリリースの中に「金融圏に協力を求めることにした」とありましたが、さっそく動いたようです。
キャッシュフローが回らないと「停電・ブラックアウト」の可能性があるのでこれはやむを得ません。
『韓国電力』を巡るドタバタはまだ続きます。
(吉田ハンチング@dcp)