日本と韓国との関係は最悪に陥ったといわれます。筆者などはそうは思いませんが、とにかく日韓問わず、メディアではそういうことになっています。
日本には「日本の韓国理解」がありますし、韓国には「韓国の日本理解」があります。国が違うので差があるのは当然のことです。
しかしながら、「韓国による日本理解」は多くの事実誤認が基盤になっています。この事実誤認は「うその歴史」を教えられていることから生じているのです。
韓国の「うそつきの学問」が問題の根源にある
韓国で2019年に出版されて社会に大きなインパクトを与え、異例のベストセラーになった『反日種族主義』という本があります。
韓国で一般に定着してしまっている「歴史認識」が「いかに事実に即したものでないのか」を、朝鮮総督府の資料など、一次資料に当たってつまびらかにした李栄薫先生編著の労作です。
「嘘はやめよう」「本当のことを知るべき」という、社会科学者・学者としての立場を貫いた尊敬すべき著作です。
ただし、日本人が知っておかなければならないのは、当著作は決して「日本を擁護するために書かれたものではない」ということです。李栄薫先生はじめ、この本に文章を寄せた方々は学者として「嘘がまかり通っている韓国の社会科学や史学」に我慢がならないのです。
嘘がまかり通る理由を「反日種族主義」という言葉で表しています。
反日的な言説であれば、それが科学的な論拠がなくても、嘘であっても定説化する――「あったこと」になってしまうのはとんでもない――と言っているのです。
そして「嘘がまかり通ってしまったこと」こそが、日韓断絶の根本にあるのだと指摘していらっしゃいます。
同本には、プロローグとして「嘘の国」という章があります。少し長くなるのですが、その中から「嘘つきの学問」を以下に引用してみます。
嘘つきの学問
この国の国民が嘘を嘘とも思わず、この国の政治家が嘘を政治の手段とするようになったのには、この国の嘘つきの学問に一番大きな責任があります。
私が見るところ、この国の歴史学や社会学は嘘の温床です。
この国の大学は嘘の製造工場です。そう言っても大きな間違いではないと確信しています。
たいてい一九六〇年代から始まったので、そのような歳月がすでに六〇年も流れています。
そのため、ニ〇〇〇年代に入ると全ての国民、全ての政治家が平然と嘘をつくようになったのです。
古代史から現代史に至るまで韓国の歴史学がどのような嘘をついてきたのか、列挙すればきりがないほどです。
嘘は主に、ニ〇世紀に入り日本がこの地を支配した歴史と関連し、誰はばかることなく横行しました。
この本で争点に上げるいくつかを列挙します。
朝鮮総督府が土地調査事業を通し全国の土地の四〇%を国有地として奪った、という教科書の記述は、でたらめな作り話でした。
植民地朝鮮の米を日本が収奪したという教科書の主張は、無知の所産でした。
日帝が戦時期に朝鮮人を労務者として動員し奴隷にした、という主張は、悪意の捏造でした。
嘘の更新は日本軍慰安婦問題に至り絶頂に達しました。
憲兵と警察が道行く処女を拉致したり、洗濯場の女たちを連行し、慰安書に引っ張っていった、という韓国人一般が持っている通念は、ただの一件もその事例が確認されていない、真っ赤な嘘を土台としたものでした。
歴史学の嘘はそれらしき学術で包装されました。
朝鮮王朝を滅ぼした主犯を挙げよと言われれば、誰が何と言っても当時の主権者だった国王、高宗です。
彼は王朝を自分の家業と考えた、愚かで欲の深い王でした。
王朝を日本に売り渡したのは、他でもないこの人だったのです。
そのおかげで彼の王族は、日本の王公族の身分に編入され贅沢三昧できました。宗廟社稷の祭祀は一九四五年まで綿々と受け継がれました。
しかし、ニ〇〇〇万の人々は「亡国の民」の身の上となってしまいました。
それでもなお高宗を開明君主として崇める、でたらめな学説が台頭し、いつの間にか教科書にまで載せられました。
甚だしくは、ソウル市長だという者が、高宗が「俄館播遷」したその道を「高宗の道」として記念するショーを見せました。
あまりにも世論が悪くなったので途中で打ち切りましたが、その道は朝鮮を亡国に至らせた袋小路でした。
(後略)⇒参照・引用元:『反日種族主義 日韓危機の根源』編著:李栄薫,文藝春秋,2019年11月15日 第一刷発行,pp18-19
――という具合に、韓国に根付いてしまったうその学説について痛烈に批判されています。
・全国の土地の四〇%を国有地として奪った
・植民地朝鮮の米を日本が収奪した
などの主張が「なぜうそだと言えるのか」については、同本を読んでいただくのが良いでしょう。実際に一次資料に当たったデータが記載されているので、日本人にとっても大変に勉強になります。
また、続編である『反日種族主義との闘争』も非常に興味深い本です。
『反日種族主義』が出版された後で巻き起こった批判に対して、「反論する」という内容です。結論からいえば、『反日種族主義』への批判は、著者の皆さんの主張を変更させるようなものではありませんでした。
もし興味を持ったら、ぜひ両方ともご一読ください。
(吉田ハンチング@dcp)