今回の「ダボス会議 2023」(世界経済フォーラム:『WEF』)には世界の首脳は全く参加しませんでした。唯一参加したのが韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領です。先にご紹介したとおり、なかなかご機嫌なご様子だったのですが、非常に興味深い発言を行っています。
↑特別演説後にクラウス・シュワブ『WEF』会長と話す尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領
クラウス・シュワブ『WEF』会長から半導体サプライチェーンの再編について聞かれ、以下のように答えています。
「半導体は産業の米だ。現代産業社会での必需品であり、半導体の円滑な供給と流通なしには現代産業社会を維持することは非常に難しい」
「私たちが持っている半導体技術でできるだけ多くの国と一緒に生産することで、共有するところは共有し、私たちが持っている先端技術の部分は、多様な協力事業を通じて半導体サプライチェーンが円滑に動作するように努力するつもりだ」
「半導体技術はあまりにも重要な技術だから、技術のブロック化という点を避けにくい面もあるが、韓国政府はなんらかの形でさまざまな国と事業協力を強化し、サプライチェーンが円滑に復元され、国際社会の産業発展に寄与できるようにするつもりだ」
西欧の国に「産業の米だ」が通用するかどうか分りませんが、韓国政府がさまざま国と一緒にやっていくと述べたのは注目に値します。恐らくこの「さまざま国」の中に「中国」も入っているはずです。むしろ中国を念頭に置いた発言でしょう。
なぜなら次のようにも述べているからです。
「アメリカ合衆国と同様に日本は私たちとほぼ普遍的価値を共にする、類似の政治・社会・経済体制を持っている」
「中国は私たちと少し違う点があるが、我々は体制が違ったり、また普遍的価値における多くの違いがある国であっても関係を排除したり遮断したりする方式で運営されるのではなく、より融合的な方式で運営されるべきだと考える」
日本は合衆国と同様に韓国とは普遍的価値を共にする、と述べています。日本人からすれば、国際法を守らないので「韓国が法治国家かどうか」は甚だ疑問ですが、まあこれはいいとしましょう。
しかし「中国は私たちと少し違う点がある」はどうでしょうか。
この尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の論法ですと、
韓国と中国は少し違う
ですから、「日本、合衆国も中国と少し違うだけ」になってしまわないでしょうか。
「一党独裁国家、中国共産党に支配されて自由のない国・中国と、日本・合衆国が少し違うだけ」となるような認識では困ります。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は中国に対する配慮で述べたのかもしれませんが、ダボス会議でこのような発言をするのは軽率のそしりを免れないのではないでしょうか。
少なくとも合衆国に「やっぱり韓国は信頼できない」という印象を与えますから。
↑「尹くん頑張って!」な感じで見守る金建希(キム・ゴンヒ)夫人。
(吉田ハンチング@dcp)