日本メディアではあまり話題になりませんでしたが、イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長(H.E. Mr. Jens Stoltenberg, Secretary General of the NATO)が日本、韓国を訪問しました。
これに対して中国は猛反発しています。
中国外交部の定例記者ブリーフィングから該当部分を引用してみます。
(前略)
CGTNレポーター:
イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は、韓国と日本の訪問を終えました。訪問中、ストルテンベルグは何度か中国に言及し、中国は「ルール、開放性、民主主義に基づく権威主義的な国際秩序に反撃している」と述べました。
「中国はNATO諸国に届く軍事力を持ち、台湾を脅かす存在になっている。NATOは中国の安全保障上の脅威に対処するために団結し、断固とした態度で臨まなければならない。今日ヨーロッパで起こったことは、明日には東アジアで起こるかもしれないのだ」とも述べています。
ストルテンベルグの訪問と発言に対する中国のコメントは?
毛寧:
ここ数日、私たちはNATO関連の問題について、繰り返し私たちの立場を表明してきました。しかし、NATO事務総長の韓国と日本への訪問では、常に中国に言及し、いわゆる「中国の脅威」を意図的に誇張し、イデオロギー的な線引きを行い、地域諸国の関係を挑発するものでした。
中国は世界の平和と安定の維持に努め、地政学的な対立は行わず、いかなる国に対しても挑戦や脅威を与える意図はありません。
アジア太平洋地域の平和的な協力、安定と繁栄は、この地域の国々の共同の努力によるものです。
冷戦思考や陣営対立は、アジア太平洋では歓迎されません。
NATOは、ヨーロッパの安全保障のために実際にどのような役割を果たしているかを深く反省し、ヨーロッパを混乱させ、アジア太平洋や世界をも混乱させようとしないことです。
(後略)
中国は、自分が南シナ海などで行っていることについてはほっかむりを決め込んで、NATOを非難しています。「中国の脅威ばかり強調しやがって」という非難です。
よその国の領空に偵察気球を送り込む国が言っても「説得力がない」のではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)