日本の輸出管理強化によって窮地に陥っているとされる韓国の半導体産業ですが、実際には輸出管理が始まる前から業績は悪化しています。
韓国の半導体産業のメインプレーヤーであるサムスン電子の決算を見ると、以下のように営業利益が激減しており、非常に業績がよろしくありません。
①2019年01-03月期:営業利益 6兆2,332億8,200万ウォン
⇒前年同期比:約60.2%減
②2019年04-06月期:営業利益 6兆5,970億6,500万ウォン
⇒前年同期比:約55.6%減
2019年01-06月連結:営業利益 12兆8,303億4,700万ウォン
⇒前年同期比:約58.0%減
念のために付記しますが、これは日本の輸出管理が強化される前の数字です。
しかし、2019年初頭から値下がりを続けてきたDRAMの価格が、ここに来て底を打ったのではという観測が出ています。半導体産業は2018年の需要減退によって「ついにスーパーサイクルもおしまいか」といわれたのですが、やっと在庫調整が終わったのでは?というわけです。
サムスン電子にとってはまさに朗報なのですが、残念なことに半導体製造にかかわる日本からの輸出品目は厳格な管理体制の下に移行していますので、来たるべき波に乗り遅れることになるでしょう。韓国にとってはかなり残念な事態といえます。
⇒参照:『Money1』「『スーパーサイクル』とは? 半導体市場は異常な盛り上がり」
https://money1.jp/?p=2558
⇒参照:『Money1』「『スーパーサイクル』は終わりか? それとも一休み?」
https://money1.jp/?p=5879
⇒①データ出典:『Samsung Electronics Co., Ltd.』公式サイト「第1四半期決算報告書」
https://images.samsung.com/is/content/samsung/p5/global/ir/docs/2019_con_quarter01_all.pdf
⇒②データ出典:同公式サイト「第2四半期決算報告書」
https://images.samsung.com/is/content/samsung/p5/global/ir/docs/2019_con_quarter02_all.pdf
追記
②の数字に誤りがありましたので修正しました。
(柏ケミカル@dcp)