地味ですが、結構重要な指数が急落しているのでご紹介しておきます。
2023年06月02日に『韓国建設産業研究院』が「05月の建設企業景気実査指数」を公表したのですが、「CBSI」が急落しました。
↑『韓国建設産業研究院』の公式サイト。このサイトは韓国の不動産市場・建設業界について興味深いデータを適宜リポートしているのでお勧めです(会員限定リポートを含みます)/Googleの自動翻訳/スクリーンショット
CBSIは、建設業界の企業を対象にアンケートを行って算出している業界の景況感を示す指数です。100がベースラインでこれより高ければ楽観的、下回ると悲観的と見る企業が多いことを意味しています。
前月04月には「80.2」を記録し、「建設業界も復調してきたか」※と期待されたのですが、05月の指標がなんと「13.8ポイント」も下落して「66.4」を記録したのです。
※2022年10月に『韓国レゴランド』ショックがあって短期資金調達市場が急迫し、中小の建設会社がバタバタいったことを思い出してください。
何が原因なのか、ですが、これはマンション分譲がうまくいっていないことを反映していると思われます。
韓国では例年05月は分譲が盛んになって不動産市場は景気がよい時期なのですが、2023年05月は1.4万世帯にとどまっています。
これがどれくらい少ないかというと、2000年に統計が始まって以来、05月としては最低です。
韓国通貨危機時の2009年05月は最低の状況でしたが、それでも「1.7万世帯」ありました。今回の分譲「1.4万世帯」は、最低記録を更新したのです。
そもそも05月の分譲件数は「約3万世帯」でしたので、約1.4万世帯ということは、半分も売れなかったわけです。
傑作なのは、大手建設会社のCBSIで04月は「90.9」あったのです。ところが、当05月は「63.6」で、驚くなかれ「27.3ポイント」も墜落しました。
興味深いのは「06月の展望値」で、こちらは当月より10.2ポイント上昇した「76.6」となっています。しかし、これはあくまでも展望値なので、蓋を開けてみたら「駄目でした」があり得ます。
また、そもそもベースライン「100」を割っているわけですので、韓国の建設業界は基本、不景気なのです。韓国は内需のほとんどを不動産に依っていますので、ここが戻らないと内需は回復しません。
韓国政府としては、なんとかしたいところですが、これを膨らませると家計負債が増加するという結果になります。ジレンマです。
(吉田ハンチング@dcp)