事実上のデフォルトに陥っており、債務再編に励んでいる中国『恒大集団』。Money1でも先にご紹介したとおり、『恒大集団』はアメリカ合衆国においてチャプター15を申請しています。
行っていることは「再建へのあがき」です。「中国からすれば飛ばれてたまるか」で、当然ながら曲がりなりにも『恒大集団』がいまだにあるのは、当局の合意を得ているからです。
とはいえ、『恒大集団』がオフショア、外貨建てて海外の投資家から集めた資金については目処を立てなければなりません。国内の債権者に対しては「抗議活動鎮圧に警察を繰り出す」など、あの手この手でなんとかなりますが、海外の投資家相手にそのようなことはできません。
格好だけでも「再建プランに同意した」という体を保たなければなりません。
そのために、ケイマン諸島で債権者会議を行うと告知する――などジタバタしてきたわけです。
しかし、2023年09月23日、25~26日に予定した「オフショア負債再調整のための債権者協議」を再び延期しました。
『恒大集団』は、本件について「住宅販売が予想どおりに行われず、債務調整条件を変更する必要が生じた」と説明しており、新しい協議日程を定めず、「後で別途公知する」と発表しました。
どんな理屈をこねようと『恒大集団』は事実上のデフォルトです。オフショア317億ドルの債務についての再編を目論でいますが、この期に及んで追い貸しする投資家がいるとは思えません。
2023年06月末時点で、『恒大集団』が抱えている有利負債は6,247億元(約12兆6,939億円)と集計されています。このうちの26.3%が対外債務と推算されているのです。
ちなみに、2023年上半期の『恒大集団』の業績は330億元(約6,706億円)の赤字です。
2022年上半期の赤字が「663億元」(約1兆3,472億円)でしたから、半減しましたが、「だからなんだ」――という話です。
『恒大集団』の負債総額は、2022年末より2%減少した「2兆3,882億元」(約48兆5,282億円)です。
巨額すぎて頭がぼーっとするほどの負債で、こちらも「2%減ったからなんだ」――です。
じたばたしていますが、再編プランが目論見どおりにうまくまとまるのか要注目です。また、中国政府が思うように不動産市場が回復するのかにもご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)