Money1でもご紹介していますが、韓国メディアでセルコリア(韓国売り)が話題になってきました。外国人投資家が韓国株式市場で株式売却を続けているからです。
では、どのくらい資金が抜けているのでしょうか。実は面白い現象が起こっています。
2023年10月13日、『韓国銀行』が「2023年09月中の国際金融・外国為替市場動向」のデータを公表しました。この中に外国人投資家の資金動向のデータがあります。
2023年09月
株式:-13.3億ドル
債券:-1.0億ドル
小計:-14.3億ドル⇒参照・引用元:『韓国銀行』「2023年09月中の国際金融・外国為替市場動向」
この数字は「買収額 – 売却額」で、つまりは「純買い越し金額」を示しています。
マイナスになっているということは、売り越しです。その分、外国人投資家は韓国から資金を抜いたことを意味します。
まず、ご注目いただきたいのは、「株式」「債券」の両方で売り越している点です。
Money1を長く読んでいただいている方はご存じでしょうが、株式が大きく売却に傾いても債券がその分買われて、全体でマイナスになることはまれです。
これは、株式が売却されたら債券が上がり(買収され)、逆に債券が売却されたら株式が上がる(買収される)という関係、つまりは資金移動のトレンドがあるためです。
上掲の表組みを見ていただきたいのですが、
株式:-174.4億ドル
債券:561.5億ドル
小計:387.1億ドル
2022年
株式:-60.9億ドル
債券:117.2億ドル
小計:56.3億ドル
このように、株式が巨額売り越しになっても、債券が巨額買い越しとなって、トータルではプラスすなわち「韓国に資金が流入した」という形です。
ずいぶん前にご紹介しましたが、株式と債券の買収・売却には逆相関があるのです。
ところが、09月は株式・債券共に売り越しで小計もマイナス。しかも前月08月もそうでした。2カ月合わせて「34.3億ドル」の資金流出です。
株式・債券の両方がマイナスとなり、しかも資金流出が2カ月続くというのは異例です。
問題は「これが続くんじゃあるまいな?」です。韓国はローカルカレンシーの国で通貨主権は強くないのです。悪いうわさが立って、資金流出が続くと、それこそ「外貨準備高は十分なのか?」という事態に陥ります。
(柏ケミカル@dcp)