2024年01月01日、韓国の産業通商資源部が「2023年12月および年間輸出入動向」を公開しました。これは、暫定版ながら2023年の韓国の(通関ベースの)輸出・輸入・貿易収支の数字をまとめたものです。
主要地域別の輸出・輸入のデータがあるのですが、これが非常に興味深い結果になっています。
まず資料にある元データが以下です(朝鮮語なので飛ばしていただいて大丈夫です)。
韓国の主要貿易相手国(地域)として、中国、アメリカ合衆国、日本、ASEAN、EU、中東、中南米、CIS、ベトナム、インドが挙がっています。これを輸出・輸入・貿易収支(輸出 – 輸入)の表組にまとめると以下のようになります。
輸出 | 輸入 | 貿易収支 | |
中国 | 1,248.4 | 1,428.5 | -180.1 |
アメリカ合衆国 | 1,157.2 | 712.6 | 444.7 |
日本 | 290.6 | 476.6 | -186.0 |
ASEAN | 1,092.4 | 780.2 | 312.2 |
EU | 682.6 | 678.5 | 4.1 |
中東 | 188.1 | 938.4 | -750.3 |
中南米 | 246.2 | 302.0 | -55.8 |
CIS | 127.6 | 134.0 | -6.4 |
ベトナム | 535.3 | 259.4 | 275.9 |
インド | 179.6 | 67.3 | 112.2 |
小計 | 5,747.9 | 5,777.3 | -29.5 |
※単位は億ドル
これまで散々儲けてきた対中国貿易において、2023年は「-180.1億ドル」と大赤字になっていますが、実は対日本貿易赤字の方が「-186.0億ドル」と大きいのです。
ちなみに韓国は対日本貿易で黒字になったことは1年もありません。これが「韓国は鵜」といわれる理由です。
対中東貿易においては「-750.3億ドル」も赤字を掘っていますが、これは原油を大量に輸入しないと国が回らない(かつ中東域への輸出が少ない)ので、仕方ありません。
実はここからが今回の本題です。
どこで70.5億ドルも赤字を掘っているのか?
産業通商資源部のデータによれば、2023年の輸出・輸入・貿易収支は以下のようになっています。
2023年
輸出:6,327億ドル(-7.4%)
輸入:6,427億ドル(-12.1%)
貿易収支(輸出 – 輸入):-99.7億ドル※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「2023年12月および年間輸出入動向」
2023年通年でざっくり100億ドルの赤字です。
「総輸出金額:6,327億ドル」ですから、上掲の「主要貿易地域に対する輸出金額:5,747.9億ドル」は、総輸出額の「90.8%」になります。
同様に、「主要貿易地域に対する輸出金額:5,777.3億ドル」は、「総輸出金額:6,427億ドル」の「89.9%」になります。
この10の主要国(地域)で輸出・輸入共に約9割を占めているのです。確かに「主要」の名に値するでしょう。
ところが、上掲のとおり10の主要国(地域)の貿易収支は合計で「-29.5億ドル」にしかなりません。
産業通商資源部の公表では、2023年は「-99.7億ドル」ですので、残りの約70.5億ドルの赤字は、どこかよその地域で出ていることになるのです。
産業通商資源部のまとめた主要地域以外での輸出・輸入・貿易収支は、
輸入:649.7億ドル
貿易収支(輸出 – 輸入):-70.5億ドル
※四捨五入しています
でないと数字が合いません。韓国は主要貿易地域以外(-70.5億ドル)で、主要地域(-29.5億ドル)の約2.4倍赤字を掘っていることになるのです。
(柏ケミカル@dcp)