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中国のぐぬぬ……。BRICsに明るい未来はありますか

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2024年となりまして、中国の外交部も動きだしています。

習近平総書記が「アメリカ合衆国を排除してイニシアティブを取れる」とご執心のBRICsですが、アルゼンチンの新大統領、Javier Gerardo Milei(ハビエル・ヘラルド・ミレイ)さんは、これに背を向ける方向です。

ミレイさんは中国とは距離を置く政策を公約としていましたので、大統領に決まったときから、中国の外交部は否定的な発信を行っていました(アルゼンチンの動向を見るというリリースを出しています)。

ミレイ大統領は、BRICsには加わらないとしました。このアルゼンチンの動きに対して、2024年01月02日、中国外交部は記者定例ブリーフィングで以下のように答えています。

『Reuters(ロイター)』通信記者:
アルゼンチンのミレイ新大統領がBRICSへの加盟計画を中止しました。

外務省のコメントは? サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦、イラン、エチオピアが今年01月01日からBRICsの正式メンバーとなり、BRICs加盟国は5カ国から10カ国に増えた。

中国はBRICSに何を期待しているのか? 一部のアナリストは、BRICs加盟国は多様な外交政策目標を掲げているというが、中国は加盟国間で共通の道を見出す自信があるのか?

汪文斌:
まず申し上げたいのは、BRICs協力の将来の発展に対する自信である。

18年の歴史を経て、BRICsの協力メカニズムはますます結束力を強め、その影響力を高め続け、国際情勢において前向きで安定した、見栄えの良い力となっている。 今、BRICsが加盟国を10カ国に拡大したとおっしゃったが、これはBRICsの協力に明るい未来があることを十分に示している。

BRICsが関係国の要請に応じて加盟国拡大を決定したことは、新興市場や発展途上国の共通の願いに沿ったものであり、世界の多極化という歴史的な流れに合致するものである。 われわれはBRICsのパートナーと手を携え、BRICs協力における新たな成果の継続的な達成を推進していく。

⇒参照・引用元:『中国 外交部』公式サイト「2024年1月2日外交部发言人汪文斌主持例行记者会」

『Reuters』記者は、中国の痛いところを突きました。

そもそもBRICsについては条約や本部がありません。同盟や連合などの国際機関ではないのです。簡単にいえば、同人会やフォーラムみたいなものです。

そもそもインドは中国と国境紛争を抱えていますし、習近平個人崇拝の中国とは体制が相容れません。南アフリカ共和国にしても反米集団の仲間と見られるのは迷惑千万です。

中国がBRICsを「親中国で反米の有力な圧力団体になる(+ 中国がその盟主だ)」と考えているなら、とんだお門違いです。ロシアにしても、プーチンさんが去って「本当に欧州的な自由民主主義」が成立したら反中国に転じます。

ですので、『Reuters』記者の「中国は加盟国間で共通の道を見出す自信があるのか?」という質問は、まさに急所を突いたといえるのです。

中国が国内で推進している「習近平に導かれた特色ある社会主義」なんてものに賛同する国などありはしません。ロシアだって本音はアホらしいと考えているでしょう。

そのため、汪文斌さんは記者からの質問にまともに答えられませんでした。「BRICsには明るい未来がある」という主旨の回答で逃げざるを得なかったのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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