国が取り得る金融政策において、「Sovereign Monetray Policy(独立した金融政策)」「Fixed Exchange Rate(固定相場制)」「Free Capital Flow(自由な資本移動)」の3つの方針を全て取ることはできない。そのうちの2つしか取り得ない、これが「国際金融のトリレンマ」といわれるものです。
これは、経済学者のロバート・アレクサンダー・マンデル教授が提起した国際金融の定理で、現在では広く認知されるようになっています。
「不可能な三角形」と呼ばれることもあり、上掲図のようにその国が立ち得るのは三角形の「a」「b」「c」各辺のどこかです。すなわち、
a:「独立した金融政策」と「固定相場制」を取れば、「自由な資本移動」は実現できず
b:「独立した金融政策」と「自由な資本移動」を取れば、「固定相場制」は実現できず
c:「固定相場制」と「自由な資本移動」を取れば、「独立した金融政策」は実現できず
というわけです。
エコノミストの安達誠司先生は『円高の正体』(光文社,2012年)の中で、「不整合な三角形」として、上掲のような図を提示して同様のことを説明していらっしゃいますが、和訳・説明の仕方は安達先生版の方が分かりやすいかもしれません(同書p.85)。
(柏ケミカル@dcp)
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