韓国の家計負債の話です。
韓国の金融委員会は、信用回復措置を効いた――と自画自賛しています。
韓国人は、一人一人に信用スコアが付与されており、それによって「お金が借りやすい」かどうかが決まります。不良債権化のリスクが高まっているので、金融機関がお金を貸し渋っている――という件は先にご紹介しました。
韓国は借金する人が多すぎる
韓国は多重債務者が多く、お金が借りにくくなると第1金融圏から第2金融圏へ、それでも貸してくれなくなると第3金融圏、さらには私債へと借りては転落していきます。
当たり前ですが、借りにくい人にも貸してくれるということは、その分「金利が高い」のです。私債まで落ちれば『闇金ウシジマくん』を超えますので、そんなところで借りる時点で人生は破綻しています。
そのため、どこかで一回リセットをかけないといけません。
これが韓国で「徳政令」が出る理由です。とにかく国民が借金を重ねることに慣れており、はっきりいえば「身の丈を知って生活をしない」のが原因です※。
※お金もないのに見栄のために高級外車に乗りたがり、外国旅行に行きたがります。自分は他人に比べて見劣りするような生活をしていない――と見せるためです。こういう点が韓国人の駄目なところです。身の丈に合わせた生活でがきないのです。日本人の場合には「よそはよそ、うちはうち」と考え、「足るを知る」と理解しているでしょう(中にはヘンな人もいますけど)。
もっとも韓国の場合は、日本よりも低所得者が多いので、借金しないと生活できないという面はあります。、
「リスケ」措置が効いたぞ!という自画自賛
本線に戻ります。
リセットをかけるために、韓国の金融委員会、金融監督院が打ち出したのが「信用回復措置」というものです。
2024年03月12日に発表され、Money1でも以下の記事でご紹介しました。
これは、簡単にいえば「リスケ」です。信用回復委員会の提供する
還期間の延長
分割償還
金利調整
弁済機猶予
債務減免
etc.
の手段で債務返済の負担を軽減することが可能です。
そもそも論として、国の金融行政のTopがこんな措置を臨時で提供しなければならない――という時点で「おかしい」のですが、これが韓国なのです。例えば、以下のデータをご覧ください。
債務調整制度の利用者(2024年の緊急制度以前のものを利用した人)の2019~2023年の推移ですが、2023年には前年から19.0%も増加しました。ほぼ2割増しです。それだけ借金返済に苦しんでいる人が増加したのです。
また、2024年03月に設けた制度を利用すると――「プレワークアウト」に属する債務調整では「延滞利息を免除し、金利を最高年利8%に調整してくれる」のですが――つまり「8%」でも金利は「安い」と考える人が利用するのです。
この時点が、いかに高い金利でお金を借りているのかが想像できます。
――で、金融委員会が自画自賛しているというのは――政府が提供したこの措置で、信用スコアが回復した人が増えた――というのです。
本件を報じた韓国メディア『ソウル経済』から自画自賛部分を引いています。
(前略)
信用回復支援を受けた個人の年齢層別割合は、40代:22.7%
60代以上:21.2%
30代:21.1%の順だった。
個人事業者の業種別割合は、
卸売・小売業:30.0%
宿泊・飲食店業:25.8%
修理などのサービス業:11.0%の順で多く、主に路地商圏で多くの恩恵を受けたと分析された。
個人の場合、全額返済を完了した約266万5,000人の信用評価が、先月末基準で平均31点上昇(653点 ⇒ 684点)したと集計された。
特に、20代以下の場合は40点、30代の場合は32点上昇し、社会に出たての成人や若者の再チャレンジ支援に大きな助けになったことが分かった。
(後略)
信用スコアの回復に大いに役立った――としています。
「ちょっと待ってくれ」です。それってつまり「その分また借金がしやすくなった」という意味ではないのでしょうか。
――というわけで、韓国の家計負債問題は、まるで賽の河原で石を積むような話です。リセットされてもされても、借金を積み上げるのです。
(吉田ハンチング@dcp)