「うん。だからずっと『為替安は周辺国窮乏策だ』といってきたよね」――という話ですが、韓国メディア『毎日経済』にちょっと変わった記事が出ているのでご紹介します。
日本の円安が急速に進行しているために、韓国の輸出が被害を受けているというのです。
まず、この時点でおかしいのは、「えっ、輸出額減ってましたっけ?」という点です。
韓国の輸出は対前年同期比でプラスを重ねており、産業通称資源部は「やったやった!」と小躍りするかのようなプレスリリースを出しているくらいです。
『毎日経済』の記事から一部を以下に引用してみます。
日米金利差に「スーパー円安」現象が深刻化し、好調だった韓国の輸出が災難に見舞われた。
アメリカ合衆国の高金利が長期化し、ドル高独走が続いているが、ウォン値より円安の下落幅が大きくなったからだ。
スーパー円安が上半期の韓国輸出額を75億ドル引き下げたと分析された。
韓国と輸出競争度の高い日本製品の価格競争力が高まったからだ。
「スーパー円安のために、韓国の輸出額が75億ドル減少した」と書いています。
この75億ドルをどういう計算の元に出したのかは非常に気になるところです。為替変動が輸出金額にどのくらい影響を与えのかについては、計算するのが難しい(というか面倒くさい)のです。
同記事では以下のように書いています。
(前略)
『韓国経済人協会』(『韓国経済人協会』が改称した)が2005年から今年まで四半期ごとのドル当たりの円価の変化が韓国の輸出に及ぼす影響を実証分析した結果、円価が1%ポイント下落した場合、韓国の輸出金額の増加率は0.53%ポイント低くなることが分かった。この分析モデルに適用した結果、円安により上半期の累積輸出額は74億8,000万ドル減少したことが分かった。
(後略)
本当にそのモデルは正しいのか?ですが、「円が1%ポイント安値進行すると、韓国の輸出金額の増加率が0.53%ポイント低下するはず」というモデルを基に計算したとのこと。
――で、――本来であれば上期の輸出金額は「3,423億ドル」だったはすだ。なのに輸出金額は「3,348億ドル」しかない。スーパー円安のせいで74.8億ドル減ったのだ――というのです。
なんだか「もらえなかった餅を恨む」みたいな話です。
韓国というのは、御大の言葉を引くなら「全方位被害妄想、他罰主義の国」なので、「円安のせいで輸出が減った」「円安に後頭部を殴られた」と泣き喚いても不思議ではありませんが、今回の主張はいかがなものでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)