これは「あのややこしいオッサンが来る前に!」――という結果です。
2024年10月04日、米韓防衛費分担特別協定(SMA:Special Measures Agreement)が妥結しました。以下は韓国の外交部が「あースッキリした!」と出したプレスリリースです。
SMAは、米軍が韓国に駐留するために「韓国が負担する金額」を決める協定です。
第12次米韓防衛費分担金特別協定(SMA)の合意
米韓が建設的な協議をしながら、相互に受け入れ可能な合理的な結果を導いた。
2026年の総額は2025年比で8.3%増の1兆5,192億ウォン/有効期間は5年間(2026年~2030年)。
※第10回(2019年):8.2%、第11回(2021年):13.9%改善の必要性が継続して引き上げられていた年間増加率の指標を、国防費増加率(第11次協定期間中平均4.3%)から消費者物価指数の増加率(約2%)に置き換える。
年間増加率の上限を再導入し、予期しない経済状況による積極的な拠出金増加を防止する。
国会で継続して引き上げられてきた米軍の海外資産支援の廃止など、さまざまな制度整備について合意。
第12次特別協定の迅速な合意により、在韓米軍の安定的な駐留条件を整え、米韓防衛連合の強化が期待される。
韓国の負担金は2026年は「8.3%増の1兆5,192億ウォン」となりました。
これは在韓米軍駐屯費総額の約40%に当たる金額(アメリカ合衆国軍人の件費を除く)――とのこと。
面白いのは、今回の第12次の協定は2026年から適用となりますが、これまでより約1年早く交渉が開始されていることです。
また先の第11次の交渉(トランプ政権時)は約1年半もかかったのに、今回の交渉は5カ月で合意に至りました。これはさっさと交渉を片付けたかったから、あのオッサンが大統領に再選される前に締結したかったから、と考えられます。
↑イ・テウ韓国外交部韓米防衛費分担交渉代表の晴れ晴れとした笑顔をご覧ください。あのオッサンが来る前に第12次SMAが妥結したので、すっきりとした「いい笑顔」です。
まあ問題は、トランプさんが大統領に再選されたときに黙っているか――です。なにせ「再交渉を要求する」と平気で言う人なので、「前のバイデン政権でもう妥結した話だから」で韓国側が逃げられるかどうか……。
韓国にとっては、これはトランプリスクの一つです。
(吉田ハンチング@dcp)