Money1でしつこくご紹介しているとおり、韓国では韓国通貨危機時のレベルの「通貨安」「株安」が進行し、経済的な危機が到来するのではないかと注目されています。
韓国メディアでは、アメリカ合衆国との通貨スワップ協定こそ経済的危機を回避するための「安全弁」と唱えています。また、今スグにでも協定を締結せよと声高に叫ぶメディアも増えてきました。
現在のところ、合衆国がそんなリスクと負担にしかならない協定を締結する可能性はゼロですが、韓国メディアの皆さんはなんとかなると信じていらっしゃるようです。
そんな中、2020年03月20日『ソウル経済』に「価値高まる韓米通貨スワップ『洪楠基(ホン・ナムギ)の経験」は通用するか?」(原文:韓国語/筆者(バカ)意訳)という記事が出ました。この中に次のような文があります。
(前略)
現在、韓国はカナダ、スイス、中国などの国々と1,332億ドル+アルファ規模の通貨スワップ協定を締結している。合衆国との協定は2010年に、日本との協定は2015年に終了した。日本の場合、輸出規制に端を発する葛藤が入国制限にまで継続されている状況を考えると、現実的に再推進は難しいようだ。
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「価値高まる韓米通貨スワップ『洪楠基(ホン・ナムギ)の経験」は通用するか?」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
https://www.sedaily.com/NewsView/1Z09EA0PZ9/GC0301
というわけで、韓国メディアの皆さんも、自分たちから日本に「通貨スワップ協定」の締結を持ち出すことは「無理スジだ」と、一応自覚はあるようです。
また同記事はこの後、以下のように続くのです。
だから、事実上唯一の選択肢が韓米通貨スワップであり、洪副首相の過去の経験が発揮されなければならない時なのだ。
ただ、韓国と米国の政治的関係が過去とはまた雰囲気が異なることは変数として挙げられる。
⇒参照・引用元:同上
洪楠基副首相は、かつて2008年に合衆国と韓国が通貨スワップ協定を締結した際に、合衆国との交渉に当たった経験があるとのこと。その経験を生かして、今回もなんとかしてくれというのがこの記事の主旨なのです。
しかし、韓国は政府は反米的政治姿勢でこれまでやってきており、合衆国が正面切って敵対している「中国」に従属的です。そんな国を合衆国が支援すると思えるところが不思議ですね。
「韓国と米国の政治的関係が過去とはまた雰囲気が異なる」なんて表現していますが、合衆国が韓国をもはや重視していない、ということも一応自覚しているようです。
でもその異なった雰囲気を作ったのは韓国政府自身ですから、まあ自業自得、身から出た錆(さび)といえるでしょう。
追記
FRBは、2020年03月19日新たに韓国を含む9カ国とスワップラインを結ぶことにしたと声明を出しました。これで韓国の当面の危機は乗り越えられるかもしれません。韓国にとっては朗報です。
(柏ケミカル@dcp)