2026年2月12日(現地時間)、アメリカ合衆国商務省のBIS(産業安全保障局)が『Applied Materials(AMAT)』および『Applied Materials Korea(AMK)』に対して、2億5,200万ドルの罰金を科すと発表しました。

『Applied Materials(アプライド・マテリアルズ)』は半導体製造装置分野で世界トップクラスの企業です。
成膜装置(deposition)
エッチング関連
CMP(化学機械研磨)
イオン注入装置
先端パッケージング装置
――などを半導体工場に提供しています。
『BIS』は、中国に合衆国製半導体製造装備を違法に輸出した容疑で、『Applied Materials』および『Applied Materials Korea(AMK)』に対し、約2億5,200万ドルの罰金を徴収することで会社側と合意した――と明らかにしたのです。
この2億5,200万ドルは、『BIS』がこれまで科した罰金の中で2番目に多い金額。
『BIS』によると、『Applied Materials』は、2021年と2022年にイオン注入装置を中国のファウンドリー企業、あの『SMIC』に複数回輸出し、摘発されています。
『Applied Materials』は、いったん韓国の『AMK』に送って組み立てた後、中国へ送る際に合衆国政府に対する許可申請を行わないなど、合衆国の輸出規制規定を56回も違反した――とのこと。
イオン注入装置というのは、ウェハにイオンを高速注入するためのもので、ハイエンドのメモリー半導体を製造する上で必須の重要な設備です。
早い話が、合衆国企業『Applied Materials』は、韓国の『AMK』を利用して、合衆国政府が「渡すな」と禁じた中国企業に、重要半導体製造装置を迂回輸出していた――わけです。
この輸出規制リストは、合衆国の国家安全保障に懸念がある外国企業・個人を対象として作成されたもの。ここに登載された外国企業・個人には、合衆国の先端技術や装備などを輸出することはできません。合衆国の規制を回避して韓国などを経由して輸出する場合にも適用されます。
今回の「BISの文書」で注目すべきなのは、「AMK(韓国)」を公式な本文に明示していること――です。これは『BIS』としてはかなり強いシグナルと見なければなりません。
標的にされると見られるのは韓国の半導体企業です。
「VEUの摘要廃止」を見逃してはならない!
韓国の『SKハイニックス』『サムスン電子』はいまだに中国に工場を持ち、メモリー半導体を製造しています。合衆国の製造装置なしでは運営困難ですし、またVEU資格の見直しや個別承認制の強化などの圧力が強まっています。
VEU(Validated End-Userの略:認定エンドユーザー)というのは、『BIS』が、
特定企業・特定工場を「信頼できる最終使用者」と認定し、個別ライセンスなしで米国製装置を輸出できる制度(一括承認)
――でした。
ところが合衆国政府は、
Samsung Electronics(中国西安工場)
SK hynix(無錫・大連)
TSMC(南京)
のVEU資格を取り消す最終規則を出しています(2025年12月31日に発効)。
これが「中国における半導体工場に対するVEUプログラムをやめる」という公示です。
II. 中国におけるVEUプログラムからの削除
EAR第748.15条および第748部補足第9に基づき、ERCは、Intel Semiconductor (Dalian) Ltd、Samsung China Semiconductor Co. Ltd、および SK hynix Semiconductor (China) Ltd を認定エンドユーザー(Validated End User)プログラムから削除することを決定した。
※ご注目いただきたいのは「インテルの大連工場」が入っていることです。しかし、この大連工場はインテルから『SKハイニックス』へすでに売却されています。
https://money1.jp/archives/95487
一括承認がなくなって、個別承認になります。既存工場の運営を維持するためのライセンスは付与する方針ですが、ただし増産・技術アップグレードは認められません。
また、両社とも2026年分の年次承認(annual approval)を取得済み――と伝えられています。しかし、中国に半導体工場を置くことの不透明さは深まっているのです。
簡単にいうと、首に(合衆国による)縄がついている状況です。
(吉田ハンチング@dcp)






