小ネタかもしれませんが、面白いのでご紹介します。
中国の電気自動車メーカー『BYD』が世界的に販売台数を伸ばしていますが、安値の叩き合いにもちこんでドメスティックな企業のシェアをイナゴのように喰い荒らすので、各国で中国産電気自動車を忌避する動きが強まっています。
自国メーカー産の電気自動車に出す補助金を中国産電気自動車では削減する――といった動きがあるのはその流れの一つです。
日本では、経済産業省が実施する「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」について、2026年04月01日以降の新規登録車から評価基準を改定し、車両性能だけでなく、
メーカーによる国内充電網
整備体制
部品供給
サイバーセキュリティー
蓄電池の持続可能性
――などを総合評価する仕組みにした結果、『BYD』のEVは原則として15万円に引き下げられました。
| BYD車種 | 2026年01月01日~03月31日 | 2026年04月1日以降 | 削減額 |
|---|---|---|---|
| ATTO 3 | 35万円 | 15万円 | 20万円減 |
| SEAL・一部グレード | 45万円 | 15万円 | 30万円減 |
| SEAL・その他グレード | 35万円 | 15万円 | 20万円減 |
| SEAL AWD | 35万円 | 15万円 | 20万円減 |
| SEALION 7 | 35万円 | 15万円 | 20万円減 |
| SEALION 7 AWD | 35万円 | 15万円 | 20万円減 |
| DOLPHIN | 35万円 | 15万円 | 20万円減 |
日本では補助金の減額で済んだのすが、韓国では全廃に踏み切っています。
2026年06月30日、韓国の気候エネルギー環境部は「電気自動車普及事業実施事業者選定評価」において、申請した計35社のうち27社を補助金支給対象に選定した――と発表しました。
中国の『BYD』は、06月末時点では補助金対象だったのですが外されました。
気候エネルギー環境部も、EV補助金を支給する際には「韓国内の電気自動車エコシステムへの貢献度を評価する」こととし、従来より基準を厳格化したのです。
韓国内の受電インフラなどにちっとも貢献しない外国の企業が、それを利用するクルマだけは販売して儲けやがって――というわけなので筋は通っています。
韓国でも「ATTO 3」「DOLPHIN」「SEAL」「SEALION 7」など6車種がEV補助金の支給対象となっていました。
例えば、販売価格が3,990万ウォンからのSEALは韓国政府から補助金169万ウォン、4,490万ウォンのSEALION 7は152万ウォンの支援を受けていたのですが、これが一切なくなりました。
韓国で『BYD』は売れている! 2026年上半期は輸入車で第4位
日本ではほとんど報じられませんが、『BYD』は韓国では売れ行き好調なのです。
KAIDA(『韓国輸入自動車協会』)が2026年07月03日に発表した「06月輸入乗用車登録統計」(暫定ながら2026年上半期が締まりました)によると、上半期に新規登録された『BYD』の乗用車は「1万1,675台」です。
ちなみに2026年上半期の新規輸入車登録台数のTop3は、
第1位 テスラ……5万6,139台
第3位 BMW……3万9,150台
第2位 メルセデス・ベンツ……2万9,776台
第4位 BYD……1万1,675台
――となっています。
2025年は『BYD』の年間販売量は「6,107台」でしたから、2026年は上半期だけで昨年のほぼ2倍(正確には約1.9倍)の台数を達成したのです。
もっとも2026年06月の韓国の輸入乗用車は「3万8,059台」で月間基準歴代最大を記録しています。対前年同期比で約37%増です。上半期累計でも「18万4,032台」と過去最大。
なぜここまで韓国の輸入車が増えたのでしょうか?
安くなったEVが韓国でウケた
2026年上半期に韓国で輸入車が過去最多になった理由は、次のような要因が影響したと見られます。
●テスラ「モデルY」が値下げで大量登録
「モデルY」だけで前年同期から約2万8,000台増え、市場全体の増加分の約6割を占めました。Money1でもご紹介したことがありますが、値下げしたモデルYが中国のギガファクトリーから韓国に流入したのです。
●『BYD』低価格輸入EVブランドが加入
『BYD』は半年で1万1,675台を登録し、輸入車第4位に入りました。
●韓国全体でEV需要が急回復したことです。
韓国全体の新車市場が1.4%しか伸びていないのに対し、EVは112.6%増えています。
●輸入車の価格が下がった
モデルYが4,999万ウォン、BYDドルフィンが2,450万ウォンとなり、安価なクルマが人気となりました。
つまり正確には――2026年に韓国人が輸入車を全般的に買い始めたのではなく、中国で生産された比較的安価な輸入EV、とりわけテスラ・モデルYに需要が集中し、BYDの本格参入が加わったため、全体として過去最多を達成した――というわけです。
(吉田ハンチング@dcp)





