先にご紹介した「『韓国銀行』が金を買います」の件ですが、『韓国銀行』から公式なプレスリリースが出ていますので、ご紹介しておきます。
以下が全文和訳です。
表題:韓国銀行、国内生産金の買い入れ協力体制を構築
□『韓国銀行』は、国内生産金の買い入れに向けた制度的基盤を整備するため、国内の金生産業者、韓国取引所(KRX)、韓国預託決済院(KSD)などの関係機関との協力体制を構築し、最近、機関間の協力強化のための行事を開催した。
詳細は「<別添>国内生産金買い入れ方案」を参照。
○従来の金買い入れ方式に加え、国内生産金を買い入れる新たなチャネルを確保することにより、『韓国銀行』の金買い入れルートを多様化し、中長期的な金保有比率拡大を支える基盤となることが期待される。
○併せて、金の保管場所を分散し、外貨準備を拡充できるという点でも意義がある。
□『韓国銀行』は今後も、関係機関との緊密な協力を基盤として、国内生産金買い入れ基盤の安定的な定着と発展に向けて取り組んでいく方針である。
<別添>
国内生産金買い入れ方案□『韓国銀行』は、KRX・KSDが運営する国内金市場(KRX金市場)の取引・決済・保管インフラを活用し、国内の金生産業者が海外へ輸出する予定の物量を、国際金価格を基準として買い入れる予定である。
○金生産業者に海外向け輸出需要が発生した場合、金生産業者が取引可能な物量と希望時期を韓国銀行に提示し、
韓国銀行は、金の運用計画や市場状況などを総合的に勘案して、取引実施の可否を決定する。
―海外への輸出予定物量を対象として取引を行うため、国内金市場に追加的な需要を生じさせることはなく、国内の金需給および価格に与える影響は限定的である。
○また、KRX金市場における市場内の一般売買ではなく、「協議大口売買」の方式を活用することで、市場取引時間中への影響を最小限に抑える。
― 取引当事者間で価格・数量などを事前に合意した条件で約定することにより、市場内の気配値に影響を与えることなく、安定的に取引を実施する。
□国内生産金の実際の買い入れ時期については、金取引に関する諸準備事項、金生産業者の輸出計画、および韓国銀行の金運用計画などを総合的に勘案して決定する予定である。
注:左から、韓国預託決済院のキム・ヨンチャン投資支援本部長、『LS MnM』のク・ボングォン副社長、『韓国銀行』のクォン・ミンス副総裁補、韓国取引所の韓龜(ハン・グ)副理事長
普通、韓国銀行がロンドンなどの国際市場で金を買おうとすれば、外貨準備としてすでに持っているドルなどの外貨を支払って金に交換することになります。
ところが今回の仕組みは違います。
国内の『LS MnM』などが生産し、本来なら海外へ輸出する金を、輸出される直前に韓国銀行が国内で買う。しかも国際金価格を基準とし、KRX・KSDの国内インフラを使う仕組みです。国内では年間40~45トン程度の金が生産され、そのうち輸出分はおおむね4~5トンと報じられています。
国内企業が持っている「国際市場でドルに換えられる金」を、海外へ出ていく前に『韓国銀行』が捕まえる――という構造です。
ここが今回の制度の肝です。
『韓国銀行』がウォンで代金を支払える仕組みなら、
ウォン ⇒ 国内産金 ⇒ 外貨準備資産
という経路が成立します。既存のドル資産を売却して金を買う「ドル資産 ⇒ 金」とはまったく意味が違います。
また「韓国で年間40~45トンも生産している金のうち、わざわざ『海外輸出予定分』だけを『韓国銀行』が買う」という設計にもご注目ください。
これは国内の金価格をつり上げないためでもありますが、それだけではありません。本来なら海外へ出て外貨を稼ぐ資産を国内の中央銀行が先に取得するわけです。
言い換えれば、『韓国銀行』は今回、「国内で生産される国際準備資産を、そのまま国家の外貨準備へ取り込むパイプ」を新設した――と見ることができます。
これはなかなかよく考えられた仕組みです。
(吉田ハンチング@dcp)







