韓国「塩田奴隷労働」の問題 ⇒ 韓国の闇・当局は全然アテにならない。これは米国に対するアピール

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今回は面倒くさい話です。2026年07月30日、韓国の雇用労働部が興味深いプレスリリースを出しました。


↑韓国の塩田は島嶼部に多く、劣悪な環境が一般に見られることが少ないため、事件の発覚を妨げたといわれます(後述)。

これは、いわゆる「塩田奴隷労働」問題についてのプレスリリースで、塩田事業所での労働環境を改善する・そのための監視の目を強める――という内容です。

韓国について詳しい方は「まだやってんの?(まだ解決していないのか)」と思われるでしょうし、日本人にとっては一般的でない話なので多くの方は「何それ?」でしょう。

以下にプレスリリースの全文を和訳しますが、次の小見出しまで飛ばしていただいても大丈夫です。

ただ記憶しておいていただきたいのは、本件がアメリカ合衆国との通商交渉と深く結びついているということです。

韓国政府「米国のカツアゲに怯える」⇒ 「15%でまとまるハズ」とタカをくくっている。
Money1でもご紹介してきたとおり、アメリカ合衆国は相互関税が連邦最高裁で違法※と判断されて以降、別の法的根拠を基にした関税賦課を実現しようとしてきました。※「IEEPA」を根拠とした関税賦課がなぜ違法と判断されたのかについては上掲の先記...

上掲の先記事でご紹介したとおり、合衆国は相互関税が連邦最高裁で違法と判断されて以降、別の法的根拠を基にした関税賦課を実現しようとしてきました。

UTSR(合衆国通商代表部)が繰り出した手の一つが、「強制労働によって生産された商品を十分に禁止しているか?」という調査を行い、それに違反している国に関税を科す――というもの。

韓国は、強制労働で生産された商品に対する輸入禁止措置の導入と効果的執行に失敗したグループとされ、12.5%の関税賦課対象国となりました。

USTRは03月31日に出した「国家別貿易障壁報告書」で、韓国の塩田強制労働と違法漁業を通商問題としました。

しょっぱい話ですが、韓国は合衆国によって科される関税率を安くするために塩田奴隷労働を取り締まろうという態度を表明したのです。

塩田事業場における労働権侵害を見つけ出し、被害回復を支援し、人権が尊重される現場をつくります

―雇用労働部 ― 海洋水産部 ― 警察庁 ― 全南光州統合特別市、
塩田労働者の労働権保護に向けた業務協約(MOU)を締結

雇用労働部と海洋水産部、警察庁、全南光州統合特別市は、07月30日(木)、光州政府合同庁舎において、「塩田労働者の労働権保護に向けた業務協約(MOU)」を締結した。

今回の業務協約は、去る06月に霊光で塩田労働者に対する暴行・強制労働事件が発生した直後、関係機関による合同対応体制を構築して厳正に対応したことに続き、この協力体制を常設化することで、塩田労働者に対する労働権侵害を根絶し、人権に配慮した塩田産業を築くために設けられたものである。

去る06月、霊光の塩田で労働者に対する監禁・暴行・賃金未払いなどの労働権侵害事件が発生
(雇用労働部)強制労働、暴行、賃金搾取(1億6,300万ウォン)などの違反を確認 ⇒ 刑事立件のうえ検察へ送致

(警察庁)監禁・横領などの違反を確認 ⇒ 被害者を緊急入院措置とし、臨時宿泊施設を手配、事業主を逮捕して捜査した後、検察へ送致

各機関は、「見つけ出す、回復させる、変える」を重点課題とし、協約内容を着実に実践していく計画である。
 
➊合同点検を通じて法令違反事業場を見つけ出し、厳正に対応する。
関係機関合同で塩田労働者の雇用実態を調査し、強制労働など労働権侵害が疑われる事業場については、労働監督、塩田の許可取り消し、補助金の返還など、関係法令に基づき厳正に対応する方針である。

また、人身売買などの被害の兆候が確認された場合には、生計費・医療費・法律支援などの救援支援費を受けられるよう、男女平等家族部と連携・協力していく予定である。

➋被害労働者の回復を迅速に支援する。
塩田は孤立した作業環境という特性上、労働者が事業場内で生活している場合が多いことを踏まえ、被害労働者に対して臨時宿泊施設の提供や社会保護施設との連携、心理支援など、被害回復を迅速に支援する方針である。

➌事業主の労働・人権意識を高め、労働環境の改善を支援する。
事業主を対象とした労働法遵守教育などを通じて労働権保護に対する意識を高める一方、塩田の劣悪な労働条件を考慮し、労働環境改善のための財政支援策についても検討する予定である。

キム・ヨンフン雇用労働部長官は、「本日の協約は、労働権侵害を共に見つけ出し、被害者を迅速に回復させ、現場を正しく変えていくための実践の約束である」と述べ、「二度と『塩田奴隷』という前近代的な事例が発生しないよう、労働権が尊重される職場づくりに向けて関係機関とともに力を尽くしていく」と明らかにした。

ファン・ジョンウ海洋水産部長官は、「海洋水産部は天日塩産業の主管官庁として、制度改善と産業正常化を責任を持って推進していく」と述べ、「今後は塩田労働者の労働権保護に向けた実態点検と人権教育を強化し、人権侵害が確認された場合には、関係法令に基づき厳正に措置する」と明らかにした。

ユ・ジェソン警察庁長官職務代行は、「本日の協約を通じて、関係機関間のより緊密な協力体制を構築し、実効性のある合同点検を実施する」と述べ、「点検の過程で確認された違法行為については迅速かつ綿密に捜査し、これ以上無実の被害者が生じないようにしていく」と明らかにした。

ミン・ヒョンベ全南光州統合特別市長は、「本日の協約が、塩田産業の持続可能な発展と労働者の人権保護に向けた新たな出発点となることを期待する」と述べ、「脆弱な塩田の労働環境を改善し、労働・人権教育と労働者実態調査の強化を通じて、塩田における人権侵害の予防に最善を尽くしていく」と語った。

⇒参照・引用元:『韓国 雇用労働部』公式サイト「塩田事業場の労働権侵害を見つけ、被害回復を支援し、人権が尊重される現場を作ります」

塩田事業場における労働権侵害を見つけ出し、被害回復を支援し、人権が尊重される現場をつくります――などと書いていますが、主眼は「合衆国に高い関税を科されるのを避けること」です。

人権問題を解決するためを装っていますが、要は「お金」のための動きなのです。左派・進歩系人士らしい、実にさもしく薄汚いムーブです。

韓国の塩田奴隷労働問題とは?

知らない方のために「塩田奴隷労働問題」について、以下にまとめます。知っている方は次の小見出しまで飛ばしてください。

塩田事業で労働者を搾取する奴隷労働が行われているとして、韓国で全国的に広く知られるようになったのは2014年のことです。


異常なことが行われていると発覚したきっかけは、全羅南道新安郡新衣島の塩田で働かされていた、視覚障害または知的障害のある男性2人です。

被害者の一人は約1年6カ月、もう一人は約5年間にわたり、

・賃金をほとんど、または全く受け取れない
・塩田から自由に離れられない
・逃げようとすると暴行・脅迫を受ける
・長時間労働を強いられる
・塩田作業以外に建築作業や家事もさせられる
・十分な睡眠、休息、食事、医療を与えられない

――という状態に置かれていました。

被害者の一人が母親宛てに手紙を書き、郵便配達員の協力を得て外部に送ったことで警察が捜査し、2014年02月04日に2人を救出。全国的に報道されました。

その後の民官合同調査では、特定の2人だけではなく、塩田や養殖場などで多数の労働者が賃金未払い、暴行、監禁、身分証の取り上げなどの被害を受けていたことが判明しました。

政府の国連人権規約委員会向け資料によれば、新安地域の塩田173カ所、労働者242人を対象とした一斉点検で、賃金未払いなどの違反が確認されています。

典型的な例としては、被害者を勧誘・仲介して取り込み、隔離されて外部の接触が難しい、いわゆる「タコ部屋」的な環境に置くことが挙げられます。

塩田事業所は島嶼部にあって、そのような環境をつくりやすかったのです(新安郡などは島が多く塩田は集落から離れた場所にあります)。

主な標的となったのは、

・知的障害者・精神障害者
・ホームレス
・家族や社会とのつながりが弱い人
・借金を抱えた人
・文字の読み書きや契約内容の理解が難しい人
・外国人労働者

――です。

職業紹介業者や仲介人が「食事も住居もあり、給料ももらえる」などと誘い、塩田経営者に引き渡します。

場合によっては、飲食代、交通費、紹介料などを勝手に「借金」として計上し、その返済を理由に働かせます。2014年の追加調査でも、ホームレスに酒や性風俗を提供して債務を負わせ、その債務を口実に長期間無給で働かせる例が確認されています。

21世紀にもなって、このような事業が行われていた――というのは、呆れる他ありませんが、一般に広く知られるようになったのが2014年で、2026年06月にまた同様の例が発覚(今度は全羅南道霊光)しています。

12年もたったのにまだ奴隷労働を行っている塩田事業所があったのです。

韓国の当局はアテにならない!

韓国の塩田奴隷労働問題について時系列を大まかにまとめると以下のようになります。

2014年02月
新安郡の「塩田奴隷事件」が発覚。障害のある労働者が長期間、無給に近い状態で強制労働させられ、暴行・脅迫・逃走阻止を受けていた。事件後、警察・雇用労働当局が新安一帯の塩田を調査。

2021年10月
新安郡で「第2の塩田奴隷事件」と呼ばれる事件が発覚。被害労働者が約7年間、賃金を適正に受け取れなかったことなどが問題となり、警察が事業主を立件・拘束。新安の塩田912カ所を対象に8週間の実態調査が行われた。

2025年04月
CBP(U.S. Customs and Border Protectionの略:合衆国税関・国境警備局)が新安郡の太平塩田の天日塩・同製品にWRO(引渡し保留命令)を発令。

強制労働を合理的に示す情報があるとして、(合衆国の)港で製品を留置する措置を取った。韓国企業の製品に対する強制労働を理由としたWROとして初の事例。

2026年05~06月
05月に、光郡で意思能力が著しく低下した労働者が道路を徘徊しているとの112番通報から事件が発覚。06月15日、塩田事業主ら3人を暴行・監禁などの容疑で拘束。

2026年07月
07月02日、雇用労働部・海洋水産部・警察・地方政府が合同対応体制の構築・運営を発表。さらに07月30日、MOUを締結し、この協力体制を常設化する方向を明確に。←今ココ

塩田奴隷労働問題は、韓国のひとつの「闇」を示す事件だといえますが、上記のとおり韓国当局はまったくアテにはなりません。でなければ、12年もたってから再発することなどないはずです。

(吉田ハンチング@dcp)

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