「例の土地」の件の続報です。
なんのこっちゃという方のために簡単に説明をいたします。
<<前回までのあらすじ>>
今にも倒産しそうなほどお金に困っている『大韓航空』は、ソウル市鍾路区松峴洞(ソンヒョンドン)に保有している3万7,000平方メートルの土地を「時価5,000億ウォン」で売却して資金繰りに充てようと考えました。
ところが!ソウル市が勝手に「この空き地は公園にしまーす」と開発計画を公表します。
当然『大韓航空』は激怒。
その上、ソウル市が「じゃあ2,000億ウォンで買うよ」などと言い出し、さらに『大韓航空』を怒らせます。
この騒動が財界に知られ、ソウル市の態度はいかがなものかと批判が殺到。
ソウル市は「ちぇっ。じゃあ4,671億3,300万ウォンで買うよ。でも、支払いは10%を来年。残りは2022年ね」とふざけたことを言い出します。
『大韓航空』は怒り心頭で、趙源泰(チョ・ウォンテ)韓進グループ会長は、この土地はソウル市には売らないと明言しました。
※『大韓航空』は韓国の財閥「韓進グループ」に属しています。
すぐにお金が要るというのに、『大韓航空』の足元を見るにもほどがある態度。
ここまでの経緯もひどいですが、今回事態はさらにひどい方向に進みました。
「こっちの足元を見てるソウル市になんか絶対売るもんか」と『大韓航空』は競争入札による売却に打って出ました。
ところが! なんと応札「0」という結果に終わったのです。
原因はソウル市が握っている「開発の許認可権」です。
つまり、土地を落札しても「公園にするんだ!」としているソウル市が開発許可を出すわけがないと考え、手を出せないというわけです。
この件を報道した韓国メディア『毎日経済』の記事から一部を以下に引用します。
(前略)
実際、今回の入札までの投資ガイド(IM)を受け取った潜在的な売却候補先は15に達することが分かった。資産運用業界関係者は「ソンヒョンドンの用地売却の核心は開発状況」とし、「開発許認可権があるソウル市がこの用地を買い入れて公園化するというので、どこも気軽に応札に乗り出すのが難しかったのだろう」と伝えた。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「ソウル市公園化に…『大韓航空』松峴洞の土地『応札者0』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
まあひどい話です。
何度も繰り返しますが、韓国政府は航空産業を基幹産業と位置付け、『大韓航空』を救うため、あの「基幹産業安定基金」(←まだ40兆ウォン集めていない)の支援対象としています。その一方で、このように地方自治体が同社の資金繰りの足を引っ張っているのです。
この悲喜劇はどこまで続くのでしょうか。
また随時記事を制作し状況をご紹介するようにいたします。
(柏ケミカル@dcp)