韓国の中央銀行『韓国銀行』が、これ以降の経済の予測を公表し、さっそく韓国メディア『朝鮮日報』が記事にしています(本稿末のリンクを参照ください)。
『韓国銀行』の予測は「基本シナリオ」と「深刻なシナリオ」の2つに分かれています。
基本シナリオ
⇒新型コロナウイルス騒動が韓国国内は第2四半期まで、海外は第3四半期まで続く深刻なシナリオ
⇒2020年末まで新型コロナウイルス騒動が続く
後者の「深刻なシナリオ」の場合には、以下のような事態になると予測しています。
・営業利益率が1.6%まで悪化する
(基本シナリオでは「2.2%」/前年実績では「4.8%」)・負債比率※1が200%を超える企業が40.4%に増える
・利子補償倍率※2が1未満の企業の割合が50.5%に上昇する
(つまり利子も払えない企業が50%を超える)
「半数の企業が利子も返せなくなる」という衝撃の予測です。
すでに第2四半期(04-06月)は終わりつつありますし、世界的に「コロナ第二波」が懸念されていますので、「基本シナリオ」は条件設定が甘いといえます。
むしろ「深刻なシナリオ」の方が実現可能性は高いでしょう。
※1面倒くさい人は飛ばしていただいても大丈夫ですが、「負債比率」は、「負債」を「自己資本」で割って求めます。つまり、その企業が自己資本に比べて負債(借金)をどのくらい背負っているかを示します。負債比率が「200%」ということは、借金が自己資本の倍あるということです。
※2面倒くさい人は飛ばしていただいても大丈夫ですが、「利子補償倍率」は、「営業利益」を「有利子負債の利子費用」で割って求めます。これが「1未満」ということは、営業利益が有利子負債の利子費用よりも小さいということですから、すなわち「利子も支払えない状況」です。
もちろん銀行にも影響がある!
予想される企業の業績悪化は銀行に波及します。
新型コロナウイルス騒動で韓国の銀行は政府の号令もあって、企業に多額の融資を行っています。
先にご紹介したとおり、企業の負債は03-05月で過去最大を記録し続け、大企業・中小企業の債務合計は「945兆1,000億ウォン」に達しています。個人事業主も足すと「1,309兆6,000億ウォン」になります(05末時点/データ出典は『韓国銀行』)。
この巨額の債務、銀行から見れば債権ですが、企業が利子も払えなくなるということは、「不良債権」化が進むということです。これは銀行の健全性に大きな打撃を与えるでしょう。
アフターコロナを語るにはまだ早いですが、コロナの終息時期が後ろにずれればずれるほど、韓国経済は大きな打撃を受けるのです。
⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「韓銀『コロナ年末まで継続時、企業の半分が利子も返せない』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
(柏ケミカル@dcp)