韓国経済が危機的な状況に陥っいます。その上、政府・企業・家計の三部門で借金が急激に増加し、輸出1本で食べている国なのに「輸出が回復しない」という状況ですので、いわば四面楚歌の八方ふさがりです。
ところが、文在寅大統領はというと「韓国版ニューディール」をぶち上げご満悦。
さすがに危ないのではないか、という大変に面白い記事が『中央日報(日本語版)』に出ましたのでご紹介します。
「低成長先進OECD国と比較しながら…文大統領『韓国の成長率が最も良好』」という記事なのですが、冒頭に文在寅大統領の以下のような言葉が引かれています。
16日の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の第21代国会開院演説は、経済に関する希望に満ちたメッセージばかりが目立った。
文大統領は「経済でも韓国は他国より相対的に善戦した。世界経済のマイナス成長の中、経済協力開発機構(OECD)のうち韓国の経済成長率が最も良好というのが、OECDと国際通貨基金(IMF)など国際機関の終始一貫した見方」と述べた。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
文大統領は「韓国は善戦している」などと言うばかりだが、そんなことでいいのか?というのが同記事の主旨です。
面白いのは、経済の司令塔である2トップ、すなわち、
『韓国銀行』の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁
洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官
のお二人は全く大丈夫だと思っていない、という点です。
同記事から以下に引用します。
まず、李総裁。
李柱烈総裁も最近の状況に懸念を表した。16日の金融通貨委員会全体会議直後に開いた記者会見で「輸出減速幅が予想よりはるかに大きい」とし「予想より輸出実績が良くないため、今年4-6月期の成長予測値を低める結果を招いた」と明らかにした。
次に洪長官。
15日の統計庁の「雇用動向」発表直後、洪副首相は「気が重い」と語った。
青年失業率(10.7%)が1999年の統計作成以降で最悪となっているうえ、就業者数の減少が4カ月続いたからだ。
良質の職場が多い製造業の雇用まで減少ペースが速まっていることについては「決して安易に考えることではない」と述べた。
「気が重い」は傑作(恐らく非常に正直な感想)ですが、お二人とも文大統領のようにのんきにはいられない様子です。実際の数字を見ていればそうなるでしょう。
この「のんき大統領」の任期はまだありますが、韓国はちっとも大丈夫ではありません。
(吉田ハンチング@dcp)