韓国の統計庁から2021年04月の人口動態のデータが公表されました。定点観測の一環ですが確認してみます。
韓国は2020年に人口の自然減少フェーズに入り、ここまで以下のように推移してきました。
2020年には、オレンジの線「死亡数:30.8万人」、青の線「出生数:27.6万人」がデッドクロスしました。
これを受けて、2021年は01~04月は以下のとおりに推移しています。
オレンジの線は青の線を上回っており、つまり人口は減少を続けているのです。オレンジと青の線の差が累積してその年の人口増減量になるので。
先にご紹介したとおり、韓国の2020年の合計特殊出生率は「0.84」でした。
合計特殊出生率というのは、簡単にいうと1人の女性が生涯に産む子供の人数です。これが「2.2程度」ないと人口は増えないといわれます。1人の人間は2人の人間(お父さんとお母さん)からできています。男性は子供を産めませんので、女性に2人以上を産んでもらわないと人口は増えないのです。
韓国の「0.84は世界最低の数字で、人口減少は急速に進行していますが、2021年には合計特殊出生率は「0.7台」に落ちると予測されています。
「老齢年金」のシステムが危ない!
このような深刻な事態ですので、懸念されるのは「老齢年金」の仕組みです。人口が急速に減り、寿命は伸びていますので、設計段階とは前提がまるで違います。
韓国の老齢年金は合計特殊出生率が「0.84」といった低い数字では設計されていないからです。日本も他人事ではありませんが、韓国はシステムの組み直し、再構築を行わないと運営できなくなってしまいます。巨額を韓国政府が基金に支援し続けることができれば別ですが、それは不可能です。
(吉田ハンチング@dcp)