「日本との貿易も減って、もはや依存しておらず、鵜から脱出した」か?
2019年の07月01日、日本が韓国に対する「輸出管理強化」を発表した後、韓国では「不当な輸出規制」として「NoJapan運動」が起こりました。
日本製品の不買運動ですが、それから1年がたち、昨今では韓国メディアで「韓国はもはや日本には依存していない」「日本との貿易も減少している」「韓国は日本の鵜(う)から脱出したのだ」といった主張が散見されます。
しかし、残念なことにこれらは事実ではありません。
2020年08月01日、韓国の「産業通商資源部」から「2020年7月の輸出入動向」という資料が公開されました。
この中に「主要地域別輸出・輸入推移」というデータがありますので、ここから「韓国の対日輸出額・輸入額」の数字を抜き出してグラフにしてみました。直近1年(2019年07月-2020年07月:13カ月分)ですが、以下になります。
対日輸出が青のライン、対日輸入がオレンジのライン、その収支がグレーのラインです。
収支は「輸出 - 輸入」ですので、日本との貿易で輸出の方が多ければ黒字、日本からの輸入の方が多ければ赤字になります。
それを表しているのがグレーのラインになります(▲はマイナスの意味です)。
ご覧のとおり、グレーのラインはずっと「0」より下にあります。つまり「ずっと赤字」です。
※上のグラフと同じものです。本文と対比して見やすくするためにここに再度入れます
2019年07月01日に輸出管理強化が発表されましたので、グラフの左端の07月が「NoJapan運動」開始と考えてもいいでしょう。確かに対日輸入のオレンジのラインは月を追って緩やかに減り、運動の効果があったかのように見えます。
グレーのライン、対日赤字も徐々に減少し――2020年01月には「▲7億2,800万ドル」まで赤字は縮小します。ところが、02月、03月と進むにつれて対日輸入額が増え、対日輸出額が減少したため、対日赤字は膨らんでいきます。
2020年04月には「▲20億300万ドル」を記録。直近の07月は「▲18億1,800万ドル」の赤字です。
ですので読者の皆さま、
×「韓国はもはや日本には依存していない」
×「日本との貿易も減少している」
×「韓国は日本の鵜から脱出したのだ」
というわけでございます。
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「2020年7月の輸出入動向」
追記
2番目のグラフを貼り替えました
(柏ケミカル@dcp)