なぜか「通貨スワップ」についての言及がよく登場する韓国メディア『中央日報(日本語版)』ですが、FED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結したドル流動性スワップの契約期限が延長されたことを伝える記事の中で、少し不思議な表記があったのです。
以下は記事のスクリーンショットですが、ドル流動性スワップについての説明をご覧ください。
⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「韓米通貨スワップ、6カ月延長へ…コロナ不確実性は相変わらず」
これに先立ち、3月19日に韓国銀行とFRBは600億ドル規模の二国間通貨スワップ契約(bilateral currency swap arrangements)を締結した。
となっていますが、実は『韓国銀行』自身でも「bilateral currency swap arrangements」とは書いていないのです。
契約延長を伝えた『韓国銀行』のプレスリリースでは以下のようになっています(原文:英語)。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Bank of Korea Extends Swap Arrangement with US Federal Reserve」
『韓国銀行』は、
temporary currency swap arrangement (swap line)
一時的な通貨スワップ協定(あるいは取り決め:筆者注)(スワップライン)temporary swap lines
一時的なスワップラインswap arrangement
スワップ協定
と書いています。
では、FRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)のプレスリリースはなんと書いているでしょうか。以下になります。
⇒参照・引用元:『FRB』公式サイト「Press Release July 29, 2020」
上掲のとおり「temporary U.S.dollar liquidity swap lines」(一時的なドル流動性スワップライン)です。
ですので『中央日報』で「bilateral currency swap arrangements」と表記するのは不思議ですね。
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
(柏ケミカル@dcp)