韓国の外貨準備は『韓国銀行』から毎月公表されていますが、以下の構成となっています。
Deposits(預金)
SDRs(IMFの特別引出権)
IMF position(IMFリザーブポジション)
Gold(金)
このうち「SDRs(IMFの特別引出権)」「IMF position(IMFリザーブポジション)「Gold(金)」はほとんど変化しません。「Securities(証券類)」「Deposits(預金)が変動するわけですが、韓国の場合、外貨準備のほとんどが「Securities(証券類)」です。
2015年01月~2020年07月のここ5年余りで見た場合でも、最低89.4%、最大94.2%が「Securities(証券類)」です。
で、この「Securities(証券類)」の中のおよそ30%(約1/3、33%に達することあり)がアメリカ合衆国公債です。
以下はここ5年間余り(2015年01月~2020年08月)の韓国の「Official Foreign Rserves(外貨準備)」、その中の「Securities(証券類)」、現金たる「Deposits(預金)」の推移です。
「Official Foreign Rserves(外貨準備)」と「Securities(証券類)」は左の目盛りで単位は「十億ドル」、現金たる「Deposits(預金)」は右の目盛りで単位は「億ドル」です。
赤い垂直の点線を引いてある部分が分かりやすいのですが、「Securities(証券類)」が増加すると現金たる「Deposits(預金)」が減少する傾向があるように見えます。
「Securities(証券類)」と「Deposits(預金)」の相関係数を調べてみると「-0.43」で負の「弱い相関」があることが分かります。
つまり「Securities(証券類)」が増えれば「Deposits(預金)」は減り、「Securities(証券類)」が減れば「Deposits(預金)」が増える(弱い)関係があるということです。
これは、外貨がたまれば証券類に投資して運用し、外貨が足らなくなると証券類を現金化するからと推測されます。現金化しやすい、つまり流動性が高いのはやはり合衆国公債ですので、キャッシュを作るための売却は合衆国公債がメインになっていると考えられます。
しかし、韓国が保有する合衆国公債の増減と、(外貨準備の)現金たるDeposits(預金)の増減に高い相関が認められないのです。
ではいったい何の証券類を売却しているのか?――謎です。
(柏ケミカル@dcp)