韓国メディア『朝鮮日報(日本語版)』に「『文在寅ニューディールファンド』を批判した証券会社リポートが謎の失踪」という興味深い記事が出ました。
これは『ハナ金融投資証券』の制作したリポートで、文在寅大統領の肝いり「韓国版ニューディール」を批判した内容だったのですが、サイト上から何の説明もなく消えてしまったというのです。
その後、掲示板に匿名の投稿者が「パワハラがあった」と書き込み、青瓦台、すなわち大統領府からの圧力を示唆したとしています。
⇒参照・引用元:『朝鮮日報(日本語版)』「『文在寅ニューディールファンド』を批判した証券会社リポートが謎の失踪」
大統領府からの圧力があったかどうかはともかく、当該のリポートは以下のものだと思われます。
[商業銀行]ニューディール金融、繰り返される政策支援に株主疲労感は拡大中
分析リサーチ|ハナ金融投資チェジョンウク|2020-09-04 10:09:09
しかし、大統領府が消したいというような内容ではないと思われます。
前半部分は、「韓国版ニューディール基金」のお金の集め方など実務について述べており、特に政権批判と取られるような箇所はありません。
後半部分は以下のように「金を集めろっていうけどさー」みたいな話になっていますので、これがカンに障ったのかもしれませんが……以下に引用します。
(前略)
危機的状況発生時に、これを克服するための各種政策のサポートと参加は金融会社として避けがたい宿命だが、証券・債券市場安定ファンド組成、中小企業・小商工人の流動性支援(元金満期延長・利子償還猶予と6ヶ月追加延長)などに続き、今回のニューディール・ファンドまで。これまで毎回さまざまな政策に銀行が活用され、不確実性の拡大に伴う銀行の株主の疲労感は大きくなるしかない状況だ。
⇒参照・引用元:『毎日経済』「証券会社のレポート」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
金融機関の疲労困憊している模様を指摘したいいリポートではないでしょうか。
日本でも危機に瀕した中小企業を救うため多くの金融機関が支援融資に乗り出しましたが、やはり現場の疲労困憊ぶりたるや大変なものです。
トップはやれというだけで済むが、実際に手を動かす人間はへとへとなんだ、というわけです。
もしこれを政権批判と捉えて、サイトから消すように本当い圧力を掛けたのでしたら、大統領府は器が小さいのではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)