韓国の洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官が、「財政準則」(守らなければならない財政のルール)を発表したばかりに政府与党からも非難されているという件をご紹介しました。
しかし、外部から洪長官に援軍が現れました。世界的信用格付け会社『ムーディーズ』です。
韓国は絶対に国の信用格付けを下げたくない
本件を報じた『毎日経済』の記事から以下に引用します。
国際格付け会社『ムーディーズ』は、政府が最近発表した財政準則の導入案について「新しい準則が国会を通過する場合、韓国の国家信用格付けに重宝されるだろう」と評価した。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「ムーディーズ『韓国の財政準則導入案肯定評価』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
注目は「国会を通過する場合」です。
つまり「法律として成立」して政府の財政を実際に管理することができるのであれば、といっています。政府与党からも批判が出ていますから、法制化はかなりの難関ではないでしょうか。
ともあれ、今回の財政準則の公表は、この格付け対策だったとも考えられます。
格付けを下げないために身内からの批判覚悟で洪長官は討って出たのです。一種の人身御供です。
ことほどさように、韓国は絶対に信用格付けを落としたくないのです。
理由は簡単で、国債や社債などを発行する際に利息を高くつけなくてはならなくなりますし、信認が低下してこれまでの借金をロールオーバー(借り換え)することが難しくなるからです。
また、格付け低下が起こると韓国から手を引く投資家が増えて資金流出を加速する事態も考えられるからです。
格付け会社の評価は本当に信用できるのか
リーマンショックの際に、信用格付け会社が全くあてにはならないということが知れ渡りました。あれから信用格付け会社の評価も変わった、正確になった、なんていいますが果たして本当でしょうか。
すれからしの投機者である筆者(バカ)などはいまだに疑問です。
信用格付けが維持されたとしても、その内実はこれまで紹介してきたように「政府・家計・企業」の3つの部門で急速に借金が増大し、人口は本年から自然減少に転じ、企業の18%が借金の利子も支払えない、という状況になっているのです。
それなのに格付けが落ちず、それを信じた海外の投資家が韓国債・韓国企業の社債などを買うとしたらどうでしょうか? 一種の詐欺だと思われませんか。
また、たとえここで韓国の信用格付けが維持されたとしても、これから韓国の国家債務が減るとは考えられないので、結局、将来どこかで格付けは下がることになります。
今回格付けが落ちず、韓国政府が一安心だとしても、韓国経済が危機に陥ってるという事実は変わりません。
(柏ケミカル@dcp)