2020年11月15日、日本、中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国、オーストラリア、ニュージーランドなど15カ国がRCEP(Regional Comprehensive Economic Partnershipの略:東アジア地域包括的経済連携)に署名しました。世界の貿易の3割を占めるとされる多国間の自由貿易協定(FTA)がスタートするわけですが、韓国もこれに加わっています。
韓国メディアではさっそく『現代自動車』が現在は日本の牙城であるASEAN諸国の自動車市場を席巻できるのではないか、と報じています。
実は、韓国は今回のRCEP15カ国のうち、日本を除く14カ国とはすでにFTAを締結しているのです。そのためRCEPによって受ける恩恵はあまり多くはありません。
しかし、RCEPでは韓国の自動車関連品目の輸出について関税を下げることが決まったので、韓国『現代自動車』にとってはチャンス!というわけです。例えば、
マレーシア:現在10-35%課している乗用車の関税を撤廃
フィリピン:現在(最高)30%課している乗用車の関税を撤廃
タイ:現在(最高)40%課しているトラックの関税を撤廃
フィリピン:現在(最高)30%課しているトラックの関税を撤廃
フィリピン:現在(最高)30%課している乗用車の関税を撤廃
タイ:現在(最高)40%課しているトラックの関税を撤廃
フィリピン:現在(最高)30%課しているトラックの関税を撤廃
などが段階的に行われます。そのため、現在は日本自動車メーカーの牙城となっている東南アジア市場を崩せるのでは、と怪気炎をあげているわけです。
ちなみに、日本の自動車メーカーの東南アジアでのシェアは非常に高いのです。
2019年 東南アジアに自動車市場:約338万台
日本メーカーのシェア:約60%
日本メーカーのシェア:約60%
というデータがあります。
本件を報じた韓国メディア『朝鮮日報』によれば、『現代自動車』の鄭義宣(チョン・ウィソン)会長は、
(前略)
今年上半期、ベトナム市場で「韓流」に乗って現代車がトヨタを抜いて初めて1位に上がるなどの成果が出たが、日本車の壁は依然として強固である
(後略)
「韓流に乗って」という点が泣かせますが、さて目論見どおりにうまくいくでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)