2020年11月16日、中国で衝撃的なニュースが出ました。ドイツ『BMW』の合弁パートナーである中国企業『ブリリアンス・オートモーティブ』(Brilliance China Automotive Holding:華晨中国汽車控股有限公司)が破産申請を行ったというのです。
この『ブリリアンス・オートモーティブ』は、『BMW』との合弁会社『BMWブリリアンス』という合弁会社を設立し、セダンの製造・販売事業を行ってきました。2018年には『BMW』は同社への出資比率を75%に上げましたので、『ブリリアンス・オートモーティブ』の支配権は小さくなっています。
皮肉なことに、『ブリリアンス・オートモーティブ』グループは、『BMWブリリアンス』以外の子会社の事業はまるで駄目で、ホールディングカンパニーである『ブリリアンス・オートモーティブ』は実質破産状態が続いたのです。
中国メディアの報道によれば、同社は2020年10月に「10億元の債券」の償還ができなかったとされ、企業の規模からすれば10億元が償還できないなんてどれだけお金がないんだ、と指摘されていました。
この指摘は見事に正鵠を射ていたことになります。
2020年第1四半期段階
累積債務:1,226.7億元(約1兆9,526億円)
※「1元=15.92円」で換算
累積債務:1,226.7億元(約1兆9,526億円)
※「1元=15.92円」で換算
日本円で約2兆円の債務です。今回の破産申請で精算ということになると、その影響は広範囲に広がります。債券や株式に投資した人、工場勤務者など、お金・職を失う人が続出するでしょう。どの規模まで被害が拡大するかは続報を待つしかありませんが、負債2兆円というのは相当なものです。
2020年05月にアメリカ合衆国でレンタカー大手の『ハーツ』が破産しましたが、この負債総額がほぼ2兆円でしたから。
(吉田ハンチング@dcp)