韓国の年金基金が韓国株式市場で株式の売り越しを続けていることは先にご紹介しましたが、これが記録的なことになっています。2020年12月26日から2021年02月02日まで、なんと26日間連続で売り越しを続けており、金額は「9兆1,000億ウォン」にまで達しているのです。
韓国を代表する銘柄である『サムスン電子』『現代自動車』だけでも3兆3,000億ウォンを売り越しており、個人投資家の間からは「年金基金のせいで上がらない」といった批判が起こるほどです。
目標値を上回る株価上昇で売却に走る
この売り越しは、資金をどこに投入するのかを定めた「中期資産配分計画」(5年ごとに策定)に沿ったもので、「国内株式市場には17.3%を投資する」ことを目標としています。
ところが、読者の皆さんもご存じのとおり、コロナ禍による大暴落から株価は急速に回復しました。そのため、総資産額における「韓国株式資産」の割合が2020年06月には17.5%に達しました。そのため、年金基金は売り越しに転じるしかありませんでした。
それでも株価は上昇を続け、国民年金は2020年11月に株式資産比率が「19.6%」に達しました。2021年の資産比率の目標は「16.8%」です。そのため国民年金も売り越しを続けるという事態となっています。
月で見ると、年金基金の2020年06月以降の売却総額は「16兆200億ウォン」になります。上昇しているのだから保有し続ければいいようなものですが、「すべての卵を同じかごに盛るな」が投資の基本ですからやむを得ないと考えた方がいいのでしょう。
韓国の証券マンは「年金基金を批判できない」という意見の方が主流だそうです。
(吉田ハンチング@dcp)