韓国『双竜自動車』関連でやたら登場するソウル回生裁判所ですが、ここは破産処理専門で設けられた裁判所で、企業のみならず個人事業主、個人の破産手続きも扱います。
同裁判所によると2020年には興味深いことが起こっています。コロナ禍の中、破産手続きを行った人の理由を調査したのですが、以下のようになっています。
・失業や勤労所得の減少:48.9%
・事業の失敗や事業所得の減少:45.7%
・事業の失敗や事業所得の減少:45.7%
「失業や勤労所得の減少」を理由に挙げるサラリーマンの個人破産が、「事業の失敗や事業所得の減少」を挙げ個人事業主を上回りました。これは、韓国ではこの統計を取り始めた2018年以来初めての現象とのこと。
サラリーマンの場合には、会社勤務なので固定給があります。たとえ巨額の債務を背負っても、交渉・整理すればなんとか個人破産をしなくても済む可能性があります。また、個人破産すると世間体が悪いということから、サラリーマンは個人破産を避ける傾向にあります。
ところが、2020年のコロナ禍によってそんなことを言っていられる状況でなくなったのです。つまり、このデータもコロナ禍による失業者の窮状、サラリーマンが困っていることを裏付けています。
本件を報道した韓国メディア『毎日経済』の記事では、以下のようにク・ジュソン韓国破産更生弁護士会会長の言葉を引いています。
(前略)
「失業や勤労所得の減少を理由に破産を申請した比重が増えたのは、最終的に『一定の所得』を担保することができないほど会社員の経済状況が悪化したという意味」と解説した。
(後略)
「失業や勤労所得の減少を理由に破産を申請した比重が増えたのは、最終的に『一定の所得』を担保することができないほど会社員の経済状況が悪化したという意味」と解説した。
(後略)
⇒参照・引用元:『毎日経済』「不渡りより怖い失業…『会社員破産』増えた」
韓国の雇用情勢は2020年に「1997年のアジア通貨危機以来最悪」といわれるほどになりました。これを抜けるのにはまだ時間がかかりそうです。
(吉田ハンチング@dcp)