これまで中国『恒大集団(エバーグランデ)』の債務が「約33.5兆円」もある、など個別の事案についてご紹介してきました。
では、中国全部でいくら債務があるのかについて見てみましょう。
『BIS』(Bank for International Settlementsの略:国際決済銀行)のデータによれば、中国の債務水準(debt level)は2020年第4四半期で「対GDP比:289.5%」までになりました。金額で44兆7,990億ドル(約4,951兆1,855億円)です。
⇒データ引用元:『BIS』公式サイト「Total credit to the non-financial sector (core debt)As a percentage of GDP」
思わずめまいがするような金額です。
しかし、2020年はどの国の政府もお金をじゃぶじゃぶまきましたし、企業、家計も苦境を乗り切るために融資を受けたりして債務を増やしたのでは?――そのとおりです。
例えば、日本、アメリカ合衆国も2020年に債務が劇的に増えました。
日本:418.9%
アメリカ合衆国:296.1%
中国:289.5%
見ろ、日本は「418.9%」もあるし、合衆国も「296.1%」と中国より悪いじゃないか――そう思われるかもしれません。
しかし、実は日本とアメリカ合衆国は、中国とは決定的に違う点があるのです。
それは、政府・企業・家計の三部門でどこが債務を背負っているのかです。
日本と合衆国の債務はその多くが政府債務です。そのためこれで飛ぶことはほとんど考えられません(もちろん可能性はあります)。しかし、中国の場合は債務の多くを企業が背負っているのです。
政府:67.1%
企業:160.7%
家計:61.7%
小計:289.5%
金額に直すと以下になります。
政府:10兆3,835億ドル(約1,147兆5,805億円)
企業:24兆8,677億ドル(約2,748兆3,783億円)
家計: 9兆5,478億ドル(約1,055兆2,267億円)
小計:44兆7,990億ドル(約4,951兆1,855億円)
国営企業ですら平気でデフォルトを起こすのが中国です。『恒大集団』の例を出すまでもなく借金をしまくって経営している企業が非常に多いのが中国です。この気が遠くなるような債務はリスク以外のなにものでもありません。デフォルトの連鎖を起こさないで済むでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)