アメリカ合衆国と中国との通商協議が大きな進展を見せているようで、NEC(National Economic Councilの略:合衆国国家経済会議)のクドロー委員長は04月03日「合意に近付くことを期待する」と述べました。また、この通商協議が予定の3日間で終了せず、延長する可能性があることも明らかにしています。時間を開けず、最終の詰めまで一気に進めることを考えていると思われます。
このような動きを受けて、トランプ大統領も04日、ホワイトハウスで中国の劉鶴副首相と会談を行いました。トランプ大統領と習近平主席との通商協定調印につながるものと期待されています。
しかし、合衆国と中国の間に「中国の不公正な商習慣」(技術の譲渡の強要、知的財産権の侵害など)を正すような通商協定が結ばれたとしても、中国を仮想的とする合衆国の姿勢は変わらないでしょう。Money1でも先にご紹介したように、中国を名指しする「危機委員会」が設置されていますし、これまで中国共産党の浸透工作を許してきた合衆国の大学でも、それを阻止する動きが明確になってきました。
例えば、世界屈指の理工系大学として知られるMIT(マサチューセッツ工科大学)は、04月03日、ファーウェイ(華為技術)、ZTEとの協力関係を打ち切ったことを公表しました。「ファーウェイとZTE、またその系列会社との契約延長を認めない」としたのです。
合衆国における中国共産党の浸透工作を摘発、阻止する動きはこれからも活発になるでしょう。通商協定の締結は、決して合衆国と中国との手打ちではありません。新冷戦はまだ始まったばかりなのです。
(柏ケミカル@dcp)