韓国の公共放送『KBS』の受信料を1.5倍に上げようというプランが「放送通信委員会」で審議に入ります。
韓国の公共放送にはCMが入ります
韓国にも公共放送と呼ばれる放送局がありまして、『韓国放送公社』(Korean Broadcasting System:略称「KBS」)がそれです。
日本統治時代に設立された社団法人『朝鮮放送協会』がルーツで、日本の『NHK』と同じく受信料を徴収しています。ただし、電気料金に上乗せして徴収されているので、電気代を払っていると『KBS』の受信料も支払うことになるのです。
面白いのは、広告収入を得てもいいことになっているので、『KBS』放送にはCMが流れることです。
受信料ですが、月額2,500ウォン(約240円)と激安。実は、1981年にカラー放送を開始した際に2,500ウォンになって、以降ずっとこの金額で据え置かれています。
なんと40年間も受信料が変わらないわけで、驚異的といえます。激安なので『KBS』を維持するためにはCMも必要なのです(CMがOKになったのは別の理由ですが)。
これまでに何度も公共放送らしく受信料を上げて財務状況を良くし、放送を担保できるようにしようという案はあったのですが、決定されることはありませでした。しかし、インターネットメディアが強くなってテレビの視聴率が低くなり、併せて広告収入も減少しています。
CM収入が期待できなくなってきたので、いよいよ受信料を上げないと……という危機感があるのです。
受信料を「3,800ウォン」に上げたい
プランでは受信料を「3,800ウォン」(約364.8円)に上げるものとなっています。1.52倍になるわけですが、それでも日本の『NHK』と比べれば「0」が一つ少ない金額です。激安なことに変わりありません。
これの値上げによって『KBS』の財務状況はかなり良くなります。
韓国メディア『亜州経済(韓国版)』の報道によれば、以下のとおりです。記事から一部を引用します。
(前略)
『KBS』は受信料の調整事由について「視聴者主権と説明責任を強化し、公正・信頼のジャーナリズムの構築などの公的責務拡大計画を忠実に履行しようとするため」とし「財務構造における受信料の割合を、現在の47%から58%レベルに拡大して安定した公的サービス基盤を強化するため」と述べた。
(後略)
現在は受信料収入によって支えられているのは「47%」と半分未満ですが、値上げされれば「57%」までいくわけです。
委員会は10月に結論を出します。決議されれば国会に提出され、可決されたら「40年ぶり」となる公共放送の値上げ決定です。
(吉田ハンチング@dcp)