韓国の文在寅政権が所得の低い人向けに用意した「お金を融資する仕組み」で、よろしくない結果が出ていることが分かりました。
報じているのは韓国メディア『ChosunBiz』ですが、『国民の力』のユン・チャンヒョン議員が庶民金融振興院を通じて入手した資料を基にしています。
文政権では「日差しローン17」というマイクロファイナンスのシステムを導入し、所得の低い人向けの利用を募りました。
金利が「17.9%」とカードローンなどよりは低めに設定されており※、最大1,400万ウォンまで借り入れることができます。また、公的な保証機関(国民の幸福基金)が、「借り手」と「金融機関」の間に入るため、金融機関側も安心して貸し出せるというものです。
生活資金に困ったとき、また高利の借金返済からの借り換えのときの利用が想定されていました。
利用件数・融資額は以下のようになっています。
2021年上半期
融資件数:6万8,161件
融資額:5,561億ウォン(約528.3億円)⇒参照・引用元:『ChosunBiz』「[단독] 文정부 정책서민금융상품 ‘햇살론’, 100명 중 10명은 빚 못 갚아」
人気商品なのですが、実は代位弁済率が「10.2%」もあるのです。
「代位弁済」というのは、借り主がなんらかの理由で返済ができなくなったとき、間に入っている第三者が、借り主に代わって貸し主に借金を返済することです
つまり、この場合は『国民の幸福基金』が借り主に代わって支払う率が「10.2%」です。10人に1人は本人が支払っていないということになります。
2020年末
代位弁済率:5.6%※引用元は同上
でしたので、6カ月で代位弁済率が4.6%も上がったことになります。
※韓国の法定最高金利は24%でした。現在は20%に低減されています。
それだけ低所得層の皆さんが困っていらっしゃるということかもしれませんが、「モラルハザード」が起こっているのではないかという指摘もあります。つまり、返さなくてもいい、と考えて借りる人が増えているのではないのかというわけです。
まずいことに、2021年07月07日から金利がさらに2%低くなった「日差しローン15」という商品に切り替わっているのです。さらに利用したい人が増えそうなのです。
代位弁済率はさらに上がるかもしれません。また、低所得者の救済を目指したにもかかわらず、借りやすくしことでかえって低所得者の負債を増やす結果になった可能性もあります。
(吉田ハンチング@dcp)