韓国政府が製造業・建築現場を一斉検査。安全基準を満たさない現実

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韓国の雇用労働部は、2021年07月28日に労働安全衛生監督官などを含む900の点検チーム(1,800人余り、2人1組)、パトロールカー400台を投入し、全国3,200以上の製造業・建築業の現場に一斉点検を行いました。

なかなかの物量作戦ですが、なんとアン・ギョンドク雇用労働部長官も参加するという力の入れようでした。

本件の背景には、2021年06月09日、光州市で起こった事故があります。

文大統領が捜査を指示する事故が背景に


↑この事故を報じる『日テレ』報道

解体中の5階建てビルが突如道路側に倒れ、走行中のバスに覆い被さるように崩れました。9人が亡くなるという痛ましい事故となり、韓国内では解体作業の安全管理に問題があったとして非難が轟々と巻き起こりました。

あまりにひどい事故だったので、文在寅大統領が警察に調査を直々に指示することとなったのです。

で、今回の現場検査の結果ですが……。

現場の安全対策に不備が次々

雇用労働部のプレスリリースによると以下のようになっています。

(前略)
雇用労働部が全国3,000カ所の中小製造業・建設業の事業所を一斉点検した結果、メーカーの58%、建設業者の77%ほどで安全対策が不十分なことが分かった

全点検対象のうち、約10%は、熱中症などの疾患を予防するための対策も疎かだった。

⇒参照・引用元:『韓国 雇用労働部』公式サイト「3大安全対策の現場点検の日 製造業、建設業一斉点検(7.28(水))の結果を発表」

製造業の事業所では、プレス機械などの危険機械にカバーを設けたり、フェンスを設置したりするなどして安全距離を確保していなかったとのこと。フォークリフトの安全対策が不十分であったり、危険な機械や器具の点検を実施していなかったりといった事例も散見されたようです。

安全対策で不備があった製造業の事業所は、点検を行った2,106のうち1,233カ所58.5%)だったとのこと。

建設業事業所では、製造業よりも安全対策の不備の率が高かったと報告しています。一斉点検対象の1,050の事業所のうち805カ所76.7%)で違反が確認されました。特に安全手すりを未設置の場所が多かったようです。

また、韓国は猛暑なのですが、水を提供していない、あるいは日陰と休息を確保していない347の事業場があったとのこと。

雇用労働部では、08月にも抜き打ちで点検を行うとしています。

しかし、再び06月09日のような事故が起こらないようになるかは、事業者の意識を改革できるかにかかっています。安全第一で仕事ができるような職場環境になればいいのですが。

事故で亡くなられた方のご冥福を心より祈念いたします。

(吉田ハンチング@dcp)

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