韓国政府が600億突っ込んだファンドが中身不明という事態

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あまり関連した話も聞かなくなってきたという、非常によろしくない状況の「韓国版ニューディールファンド」。文在寅大統領が「韓国の新たな産業と雇用を作る!」とぶちあげた「韓国版ニューディール」に付随して組成された基金です。

ファンドなので、お金を集めてそれをどこかに突っ込むわけですが、その投資先がなんや分からん――というおかしな話になっています。

事実上政府が元本保証している(事実上の法律違反です)

ひと口に韓国版ニューディールといっても基本3種あってファンドも一応種々組成することが目論まれていました。

そのうちの「ポリシー型ニューディールファンド」と呼ばれるものの第1弾は、2021年上半期に投資家の皆さんから「1,570億ウォン」を集め、韓国政府(+運用会社)が「430億ウォン」を出して、計2,000億ウォンで組成されました。

よく集まったね、という話なのですが、先にご紹介したとおり、これは政府が劣後出資しているので、このファンドの債券が21.5%下がるまでは投資家は損をかぶらなくて済みます。

劣後出資というのは、至極簡単にいうと「まず損を被るのはあんたね」という出資形態で、これを政府が引き受けていますから、つまり元本保証があるようなものです。

ですので投資家の皆さんも「それはいいね」とお金を出したわけです。

韓国政府は第2弾のために200億ウォンを用意していましたので、計約630億ウォンをこのファンドに突っ込みました。

第1弾は430億ウォンだったのに第2弾が200億ウォンと半額未満になったのは、韓国政府にお金がなくなったからです。行き当たりばったりというのはこういうことでしょう。

「何に資金を投入したかは言えない!」えっ?

で、このファンドは集めた2,000億ウォンを何に突っ込んだの?という話です。

もともとは「上場・非上場の韓国版ニューディール該当企業の株式や転換社債、新株引受権付き社債などに投資する」という話でした。

しかし、韓国野党『国民の力』のユン・チャンヒョン議員が主管機関である『韓国成長金融』に問い合わせところ、「国民参加型ニューディール基金の具体的な投資の内訳は公開することができない」と解答されたとのこと。

つまりポートフォリオも何も、全く中身不明というわけです。

一応理由としては、『韓国成長金融』が直接資金の投入先を選んで運用するわけではなく、資金を分けて10個の私募ファンドにお金を突っ込んでいるため、としています。

「その私募ファンドがどこにいくら突っ込んでいるのか調べろよ」という気がしないではありません。

また、そのようなポートフォリオを公開したら私募ファンド同士の競争力が阻害される、という理由も上げています。つまり手の内を明かしたくないというのです。

しかし、一応政府がお金を突っ込んでいる、すなわち国民の税金を投入しているわけですから、正体不明というのはいかがなものでしょうか。

おかしなところにお金を突っ込んで回収不能なんて事態になって政府が損をかぶれば、それは国民の税金をスったのと同じです。

そもそも各政権で作ったファンドは次の政権になるとすっかり忘れられ、廃(すた)れてしまうのでが常なのです。「大丈夫なの?」と言いたくなる話です。

(吉田ハンチング@dcp)

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