もはや世界的に注目されるようになってしまった中国『恒大集団』。飛んだらどうなるの、という話にもなっていますが、デフォルトによってまず資金が吹き飛ぶのは、『恒大集団』が発行した債券に投資しているファンドです。
アメリカ合衆国メディア『CNBC』に「Evergrandeの債務危機の最初の試練は今週来る」という記事が出ました。最初から最後まで面白い記事ですが、記事末で「『Morningstar(モーニングスター)』によれば……」として、「the highest exposure to Evergrande bonds」(『恒大集団』債券へのエクスポージャーが最も高いファンド)を紹介しています。
エクスポージャーというのは説明が難しい(面倒くさい)単語ですが、「リスクにさらされているもの」「リスクにさらされている程度」といった意味です。
挙がっているのは以下のファンドになります。
・Fidelity Asian High-Yield Fund
(『フィデリティ』アジア・ハイイールドファンド)
・UBS (Lux) BS Asian High Yield (USD)
(『UBS』BSアジア・ハイイールド)
・HSBC Global Investment Funds – Asia High Yield Bond XC
(『HSBC』アジア・ハイイールドボンドXC)
・Pimco GIS Asia High Yield Bond Fund
(『Pimco』GIS アジア・ハイイールド・ボンドファンド)
・Blackrock BGF Asian High Yield Bond Fund
(『ブラックロック』BGFアジア・ハイイールド・ボンドファンド)
・Allianz Dynamic Asian High Yield Bond
(『アリアンツ』ダナミック・アジア・ハイイールドボンド)⇒参照・引用元:『CNBC』「The first test for Evergrande’s debt crisis comes this week」
そうそうたる投資屋さんの名前が並んでいます。
念のために書きますが、これらのファンドは『フィデリティ』や『ブラックロック』が組成したものの一つであって、上掲のファンドが飛んだからといって、これらのそうそうたる投資屋さんの屋台骨が揺らぐなどということは(恐らく)ありません(程度次第ですけど)。
ご覧のとおり、いずれもハイイールドファンドという名称で、要はリスク高い(評価の低いくず債券に投資する)けど利率も高いよー、というものです。
ですので、このようなファンドにお金を突っ込む人はそれなりの覚悟がないといけません。
もう2年も前にご紹介しましたが、『恒大集団』は「年利11%」という気がヘンとしかいえないような対外債券も発行していました(本当です!)。飛ぶのを覚悟していないと、このような債券を購入はできません。
ですから、このようなファンドに投資した皆さんはある程度の覚悟はしているはずです。しかし、実際に飛ぶとなると話は別で、右往左往、阿鼻叫喚でしょう。
(吉田ハンチング@dcp)