小ネタかもしれませんが重要な件なのでご紹介します。
他国に先駆けて先制的に基準金利を上げた韓国。現在は昨年来の史上最低金利「0.5%」から「0.25%」上げた「0.75%」となっています。
年初には「今年2回は利上げをする」としていた『韓国銀行』李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は、10月の利上げを見送りました。
大きくウォン安に触れ、株式市場は下落し、債券価格も下がるというトリプル安。また、政府の融資規制による流動性の減少などによる金融の不安定さの懸念で見送られたものと見られます。
しかし、2021年10月15日、『韓国銀行』の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は、国政監査の席上、以下のように述べたとのこと。
(前略)
「経済に大きなリスクがない限り、11月における基準金利の引き上げを十分に考慮することができる」
(後略)
李総裁はやはりインフレについてかなり警戒しているようです。この発言を取り上げた韓国メディア『ソウル経済』の記事タイトルにもなっていますが、10月には韓国の消費者物価指数が対前年同期比で「3%」の上昇を見せるのではないかという懸念も出ています。
物の価値が上がるときは金利を上げてお金の価値を上げるのが常道。その点では全く正しいのですが、やはり懸念は韓国内の金融情勢です。
李総裁は10月の金利上昇見送りについて以下のように発言しています。
「8月に続いて、基準金利を連続的に上げるには最近の金融市場の不安と変動が大きくなり、世界経済にもいくつかのリスク要因があった」
「インフレ深化による景気鈍化の懸念もあったので、もう少し見守ろうという趣旨だった」
「金利の引き上げが一度ではなく連続的に行われれば、時差を置いて物価が安定するだろう」
※データ引用元は同上
李総裁は金利引き上げに意欲を見せています。11月に実際に金利引き上げが実行されるかどうかにご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)