お金が韓国から出ていくばかり――という話です。
2022年07月27日、韓国のシンクタンク『韓国経営者総協会』が興味深いリポートを出しました。
外国から韓国への直接投資が減少しており、逆に韓国から外国への直接投資は急増し、収支で見ると資金の流出が巨額になっているというのです。
以下がプレスリリースです。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。■2000~2021年、韓国の海外直接投資(ODI、国内→海外)の累積額は2,465.7%に増加、外国人直接投資(FDI、海外→国内)は501.9%に増加。
■2000~2021年の韓国投資純流出規模は3,105億ドルに達する
-同期間にアメリカ合衆国は3兆7,163億ドル、イギリスは9,685億ドルの純流入
まず、このリポートでは、ODI(Oversea Direct Investmentの略:国内から海外への直接投資)、FDI(Foreign Direct Investment:外国から国内への直接投資)と区別しています(以下の記述をこの区別に従います)。
海外への直接投資金額(ODI)は2,465.7%に増加ですので、約24.7倍に膨らんだわけですが、韓国への投資金額は501.6%に増加ですから約5倍にしか増えていません。
韓国のGDPの増加率は「212.0%」ですので、これと比較して、
ODI(海外への直接投資金額):11.6倍
FDI(韓国への直接投資金額):2.4倍
ですので、当然出ていくお金の方が多く、前傾のとおり2000~2021年で累計「3,105億ドル」が出ていったのです。
この純流出額は「ODI – FDI」で求めています。
日本も資金流出ですが……
外国に投資することは重要です。
投資した上がりが国内に入ってくることになるからです。日本の国際収支において第1次所得収支が莫大なプラスになっているのは、長年にわたって外国に投資を行い、資産を積み上げてきたからです。
実際、同資料には日本が今でも巨額の直接投資を行っている事実を示すデータを提示しています。以下をご覧ください。
日本:-1兆4,988億ドル
ドイツ:-9,892億ドル
日本は韓国の約4.8倍、ドイツは約3.2倍の資金流出です。つまり、それだけ海外への直接投資が盛んで、その結果として上がりが国内へ還流すわけです。
韓国には魅力がないのではないか?という話
ただし、このリポートを出した『韓国経営者総協会』は、韓国の場合は「投資対象国として魅力がないのではないか」という懸念を表明しています。
以下にその部分を引用してみます。
(前略)
過去20年間、韓国企業の海外直接投資がG7国家に比べて急速に増加したことが分かった。これにより投資の純流出規模が拡大した。
これは海外市場開拓など、一部避けられない側面もあるが、韓国内の投資環境が改善されていないことに起因する部分も大きい。
ただ、韓国企業の海外投資が増加したことを否定的に見るよりは、新成長動力確保のための韓国企業の投資総量を育て、外国人の国内投資を拡大させるための努力が緊急だ。
(後略)
これは、ある意味で真っ当な見方です。
Money1でも何度もご紹介しているとおり、韓国は魅力ある投資先とはいえません。それは前文在寅政権で顕著になりました。
なにせ、企業の動きを縛る法律ばかりを制定し、韓国のAmazonと呼ばれる『Coupang(クーパン)』がアメリカ合衆国市場に上場する際に、『SEC』(アメリカ合衆国証券取引委員会)に「韓国企業には特殊なリスクがある」とリポートを出したぐらいなのです(詳細は以下記事参照)。
「韓国の立法府、法制度は全く信用ならない」と言ったのに等しい内容で、これなどまさに韓国にとっては国辱もののリポートでしたが、文在寅政権にはさっぱり響かないようでした。
企業のCEOに「韓国では経営陣個人が捜査対象になるケースが頻繁に発生する。その経営陣に責任がないと認められる場合でも、多数発生する」と言わしめる国なのです。
韓国企業は、いかに自国政府があてにならないかを熟知していますので、韓国から出ていくばかりです。帰ってはきません。
直接投資の収支が赤字なのは、このような状況が大きく影響していると考えられるのです。
(吉田ハンチング@dcp)