韓国政府、文在寅大統領は韓国は他国に先駆けて水素経済を牽引するなどと発表したわけですが、とにかく穴だらけの計画であることが明らかになっています。
これは現在韓国が国政監査のシーズンで、野党議員があちこち突(つつ)いて政府の瑕疵を見つけ、それを韓国メディアが報じるからです。
先に、韓国には水素経済の構築をリードするような技術はない、とご紹介しましたが、それを証明するようなデータがあるのです。
2022年に年間47万トンの水素を生産する?
韓国政府は2022年までに水素を年間47万トン生産する、としたのですが、恐らくまず達成できません。
というのは、韓国には最も求められる「グリーン水素」の生産技術がありません(正確には開発しているが日本など先進国にはとても追いつかない)。
水素は、どのように生産するかで色の名前が付いています。以下に日本『JOGMEC』のリポートから色分けされた水素の分類を引用させていただきます。
⇒参照・引用元:『JOGMEC』公式サイト「ロシア・欧州:石油ガス収入上のドル箱・欧州が進める脱炭素化(水素戦略及び国境炭素税導入)の動きとロシアの対応(発表された2035 年までの長期エネルギー戦略を中心に)」
※表組の下の説明の「筆者」は、『JOGMEC』調査部・原田大輔先生のことを指します。
韓国には水素についての基礎技術はない
グリーン水素は水の電気分解なので簡単にできそうですが、水素を大量に安定的に得ることを低コストで実現するのは実はとても難しいのです。
石炭から得る「ブラウン水素」、また天然ガスから得る「グレー水素」の方が現実的とされており、こちらも世界各国が高効率・低コストで実現できる技術を巡ってしのぎを削っています。韓国の場合にはグレー水素を生産する技術も満足ではありません。
一応韓国の名誉のために書きますが、韓国も取り組んではいます。
2019年には1,250億ウォンをかけて水素の生産拠点を10カ所整備する計画を打ち出しました。
しかし現在、水素の生産拠点として(一応)完成したと見られるのは慶尚南道の昌原市に造られた生産基地1カ所だけです。しかも、生産できるのは1日に1トンに過ぎません。
つまり、技術もインフラも全く不足。というか何もないような状態なのです。
2022年といえばもう来年です。どうやって47万トンの水素を生産できるというのでしょうか。ですから、文大統領の構想を実現するのは、技術基盤がありませんし、文字どおり土台無理なのです。
できるとしたら、日本などの先進国から技術供与を受けるしかありません。何度もいいますが、そもそも『現代自動車』の燃料自動車だって『トヨタ』の特許公開がなければ作れなかったのですから。
⇒参照・引用元記事:『亜州経済』
(吉田ハンチング@dcp)